講義科目と履修プラン
令和6年度入学生の講義科目と履修プランを示しています。平成28年度以前の講義科目と履修プランはこちらに記載しています。(主に先進科学コースについて記載しています。)
必修科目
全員が共通して履修、修得する科目群です。必修科目は、卒業必要単位数128単位のうち32単位を占めており、基礎専門科目(序論科目)や実験科目、基礎科目などのFIRSTでの学びの基幹となるものです。
基礎専門科目(序論科目)
- バイオサイエンス序論
- ナノバイオサイエンス序論
- ナノサイエンス序論
- ケミカルサイエンス序論
上記4つの序論は、高等学校と大学での専門科目の橋渡しとなる導入科目です。それぞれの専門分野における学びの動機付けとともに、選択必修科目A群(パック)の講義内容を理解するための基礎知識を学びます。たとえばナノサイエンス序論では、無機化学・物理化学関連科目への導入として、原子・分子の電子構造、電磁波の性質、光と物質との相互作用や固体の結晶構造について学びます。その基礎知識の習得により、自然科学における様々な現象(光の吸収や反射など)を本質的に解釈することができ、後に続く基礎専門科目におけるより発展的な内容を理解することができます。他の3つの序論ともお互いに密接に関連している部分もあり、4つの序論での学習を通じて「サイエンス」の学習基盤を作ります。
赤松 謙祐(ナノサイエンス序論)
基礎科目
- 数学及び演習
- 英語及び演習
- 日本語表現及び演習
- 基礎体育学演習
- 安全倫理工学
- プレゼンテーション演習1
- プレゼンテーション演習2
- プレゼンテーション演習3
- プレゼンテーション演習4
FIRSTでは3年生から研究を開始します。研究活動では、実験計画、経過、結果などを教員や先輩に対してプレゼンすることが日常的に行われます。その集大成である卒業研究発表や就職活動はもちろん、就職後もプレゼンの連続といえるでしょう。FIRSTでは、卒業後にどんな方面に進んでも活躍できるよう、4年間を通じて“事実や特徴を正確にわかりやすく伝える”ための考え方をはじめ、資料作成や発表の技術を身につけていきます。1年次のプレゼンテーション1では、科学的資料の作成技術(細胞の働きを表す図、地球環境計測データのグラフ化、画像データの処理など)をしっかりと磨きます。また、授業内で発表の経験を重ねると同時に同級生のプレゼンを聴講することで、自らの発表のノウハウを掴んでいきます。
松井 淳(プレゼンテーション演習1)
- 科学英語コミュニケーション1
- 科学英語コミュニケーション2
- 科学英語コミュニケーション3
- 科学英語コミュニケーション4
サイエンスにおける共通言語は、英語です。最新の研究成果が発表される論文や国際学会での発表、海外の研究者との共同研究の相談や議論は、基本的に英語を用います。科学英語コミュニケーション1では、英語の文章を頭から順番に読み、聞き、素早く英語の意味を理解できるようにするため、主語と述語をしっかりと見極め、英文の形やつながりが自然に見えてくるように練習をします。この練習は、英文を素早く読んで理解するだけでなく、「英語でものを考える」練習にもなります。さらに、論理的な構成を考え、日本語で論理的な文章を書くことにもつながっていきます。受験英語とは全く異なる進め方で講義・演習を行うことで、英語に対する苦手意識を無くしてもらうことも、この講義の大きな目的であり、より実践的な科学英語力を養う科学英語コミュニケーション2、科学英語プレゼンテーション演習1、2、3への橋渡しを行います。
西方 敬人(科学英語コミュニケーション1)
- 科学英語プレゼンテーション演習1
- 科学英語プレゼンテーション演習2
- 科学英語プレゼンテーション演習3
教養科目
- フロントランナー講座
- 科学と健康
- 科学と産業政策
実験科目
- ナノバイオラボベーシックA
- ナノバイオラボベーシックB
- ナノバイオラボ1A
- ナノバイオラボ1B
- ナノバイオラボ2A
- ナノバイオラボ2B
- ナノバイオ卒業研究
実験科目では、ナノ(化学・物理)系、バイオ(生物)系、ナノバイオ(生物・化学・物理)系、ケミカル(化学)の4つ実験に十数人ずつを割り振って4週ずつ順番に取り組みます。1年前期に履修するナノバイオラボベーシックAでは、「 高分子フィルムの導電化処理(ナノ)」、「大腸菌を用いた遺伝子組換え実験(バイオ)」、「緩衝溶液とDNAの性質調査(ナノバイオ)」、「有機化合物の分離精製(ケミカル)」となっています。大学に入って初めての専門的な実験であり、これまで使ったことのない器具や装置も使用するため、実験の予習は不可欠であり、その確認をする前試問も実施されます。また、実験が終わると、実験の報告書となるレポートも作成します。高校の時に実験経験の浅かった学生もこれを履修することで実験の基礎技術を身につけることができます。
甲元 一也(ナノバイオラボベーシックA)
選択必修科目
卒業必要単位数128単位のうち、 38単位は選択必修科目として割り当てられています。この科目は、合計 38単位以上修得することが必要ですが、どの科目を選択するかは学生に任されています。ただし、履修する内容の過度な偏りを避けるため、選択必修A群(専門科目)(24単位(12科目)以上)、選択必修B群(応用専門科目・教養科目)(14単位(7科目)以上)、を、所定の単位数ずつ修得するよう義務づけられています。
選択必修A群
専門科目
[バイオサイエンスパック]
- 分子生物学
- 遺伝子工学・バイオテクノロジー
- 生命機能科学
- 細胞工学
- 薬理学
- 発生学
[ナノバイオサイエンスパック]
- 生化学
- 生命分析化学
- 生命物理化学
- バイオ計測工学
- 高分子化学
- 生体分子工学
[ナノサイエンスパック]
- 無機化学
- 量子物理化学
- 固体光化学
- ナノテクノロジー
- 生物無機化学
- 電気化学
[ケミカルサイエンスパック]
- 構造有機化学
- 有機電子論
- 有機反応各論
- 有機化学と分光法
- 生物有機化学
- 有機合成化学
「生化学」は、生命分子と生命現象の結びつきを学ぶ講義です。タンパク質や糖あるいは脂質といった、生命現象にかかわる分子の構造を学び、生体内におけるこれら分子の役割を学びます。各種生命分子の生合成を学び、生体中の物質合成の知識を得ます。さらに、酵素の機能と生体内での活性発現を取り扱い、補酵素やビタミン或いは金属元素等の重要性も学習します。高校の生物と化学を合わせてそれを少し発展させた授業内容となっています。これから、ナノバイオ、バイオの様々な基礎科目、応用科目を理解していく上で、必要になる科目です。「生化学」を通して、論理的に思考する力や様々な情報を整理し系統立てて理解する力、発展内容を自習する力など社会で役立つ能力を養えるよう、工夫して授業を展開しています。
臼井 健二(生化学)
「薬理学」は、薬が効く仕組みを学ぶ講義です。薬が効く仕組みが分かると、どうすれば新しい医薬品を生み出すことができるのかを考えることができます。応用専門科目の「創薬テクノロジー」と併せて、様々な病気に対する新薬の開発が、どのような考え方に基づいてどのように行われているのかを学びます。この講義では、医薬品の化学構造と相互作用様式に基づく説明を通して、薬理を深く理解してもらうことを重視しています。薬学部が4年制の研究者養成課程と6年制の薬剤師養成課程を分離したことに伴い、以前より多くの理工系学部卒業生が研究者として製薬企業で活躍するようになりました。社会へ出て役立つ知識と考え方を伝えられるよう、また詳細な内容を自学できるよう講義内容を工夫しています。
川上 純司(薬理学)
選択必修B群
応用専門科目
- メディカルサイエンス概論
- メディカルバイオテクノロジー
- バイオ・食品関連研究開発論
- 知財マネジメント
- バイオセンシングと環境
- アドバンストマテリアル
- 国際産学コーディネーター
- 創薬テクノロジー
- ケミカルバイオロジー
- 先端ナノ・マイクロ材料科学
- 医療関連研究開発論
- エリアスタディーズV
「ケミカルバイオロジーって何?」と思われた方も多いと思います。ケミカルバイオロジーは、化学合成や化学的に合成したいろいろな分子を使って、生命の機能を解明したり、制御したりする学問分野です。新しい学問ですが、医薬品の開発や新しい生命機能の解明を最終目標として、物質の化学合成から細胞まで、非常に幅広い化学的知識と生物学的知識を総動員することが必要です。この講義では、タンパク質や核酸などの生体分子の化学的性質、生体分子と結合する化合物、細胞をイメージングする方法、などを系統的に学んでいきます。これまでに学んできたパックの選択必修科目が、医薬品開発等などの応用分野でも大切であることが理解できると思います。
三好 大輔(ケミカルバイオロジー)
全学共通科目
全学共通科目群は外国語科目、基礎共通科目、保健体育科目、キャリア創生共通科目等からなり、1年生は後期の金曜日の午後、2年生は前期と後期の金曜日を「岡本デー」として、岡本キャンパスおよび六甲アイランド体育施設でこれらの科目を学びます。外国語科目は、国際理解を深め、ますますグローバル化する社会で活躍する能力を身につけることを、基礎共通科目は人文科学、社会科学等に関する教養を身につけることを目的にしています。なお、岡本デーに関するキャンパス間の移動は交通費の補助制度があります。
外国語科目
基礎共通科目
保健体育科目
キャリア創生共通科目
(※詳しくは履修要項等をご覧ください)
自由選択科目
自由選択科目は、選択必修A群、B群、全学共通科目群の必要単位数には含まれませんが、卒業単位に充てることができる科目となります。ポートアイランドキャンパスで開講されるキャリア科目と、岡本キャンパスで開講される基礎共通科目(自然科学系)、キャリア創生共通科目等が該当します。
キャリア科目
- ベーシック・キャリアデザイン
- 理系キャリアデザイン
- キャリア実習