教育に携わる者は誰しも、教え子には将来的に社会で活躍してもらいたいと思っているものだと思います。しかし、教育現場での限られた時間の中では、授業を通じて養成する「学力」以外の能力については、なかなか指導、育成しづらいのが現状かと思います。当然、人材育成においては、短期的に結果が表れるものではなく、長い時間をかけて必要とされる能力をじっくりと育成していく必要があります。また、社会が必要とする能力を理解し、方針をもって育成しなければなりません。しかし、人材を必要とする産業界と、人材を育成する中学、高校、大学において、「人材育成」というキーワードでの接点は驚くほど少ないのが現実です。
本プログラムは、次世代の基幹産業となることが期待される「医療・健康産業」をキーワードに、産業界と、中学、高校、大学が一堂に会する機会を用意し、社会が必要とする人材像の把握と、中学、高校、大学がどのような方法で期待に応えうる人材を育成するかを泊まり込み形式で考えます。
企業が求める人材像に対して、中学・高校、大学が考え、行っている人材育成が時代や企業のニーズに対応できているのか、現状の問題点やそれに向けた教材や教育システムの改善について幅広く議論し、参加者各々に現状に沿った育成計画を立案してもらいたいと思います。プログラムの真意は、「優れた人材を育成するために、何が必要なのか? どうするべきなのか?」 を参加者各々に問いかけ、本プログラムの中で議論し、共に考え、中学、高校、大学の限られた教育時間の中でどのような人材育成計画を立て、それを実施するか考え、各現場に持ち帰り実践につなげることにあります。