薬が作用する対象であるバイオ分子(タンパク質、核酸、糖等)は有機化合物です。構造有機化学では、有機化合物の分類、構造、性質の基礎について学びます。特に、立体構造に関する知識は、薬がバイオ分子に作用するメカニズムを理解するのに役立ちます。
薬のほとんどは有機化合物ですので、薬の設計と合成には有機化学の知識が欠かせません。有機電子論で習得する、有機化合物の反応性を理解し予測するための知識は、薬を設計・合成する際に欠かせません。
有機電子論の知識をもとに、さまざまな有機化合物の反応例に慣れることによって、化合物の合成経路を考案する力を身につけていきます。実際に使われている薬の合成経路についても学びます。
電気化学に関する知識は、薬の作用を考える際に重要となる電気二重層や、生体膜の構造や役割を考える際に重要となる電気的等価回路モデルを理解する上で大いに役立ちます。
薬分子とバイオ分子の可逆的結合を考える際には、生命分析化学で取り扱う化学平衡の理解が不可欠です。また、この科目で習得する緩衝溶液の作用や調製法に関する知識は、薬の探索や評価の実験には欠かせません。
薬の中には酵素に作用するように設計されたものがあります。したがって、酵素反応の触媒作用や特異性について、化学的に理解することは、薬の作用メカニズムを理解したり、新たな薬を設計する上で欠かせません。
創薬には、薬となる化合物の最適化や合成法確立といった過程が欠かせません。このような過程で、有機合成化学の知識と技術をもつ有機合成化学者が活躍しています。
創薬におけるバイオテクノロジーは、薬の探索、最適化、製造等のプロセスを支え、さらに、開拓していく基幹技術です。また、本科目では、核酸を対象としたり核酸を用いたりする医薬品に関する知識も身につけます。
創薬を学ぶ上で中心となる科目です。医薬品が働くメカニズムや病気の発症メカニズムを、分子レベルで理解する力を身につけます。
本科目では、ドラッグデリバリー(生体内薬物送達)や核酸医薬等、創薬に関連する内容を取り扱います。
バイオテクノロジーをもとにした医薬品開発について学びます。また、高機能食品の開発など、健康に寄与するバイオテクノロジーについても学んでいきます。
薬の開発には、疾病メカニズムの解明が欠かせません。生命化学1、2では、そのために必要なバイオ分子の性質や機能について網羅的に学びます。また、薬の作用原理と深い関わりのある熱力学の理解を図ります。
薬の開発には、疾病メカニズムの解明が欠かせません。生命化学1、2では、そのために必要なバイオ分子の性質や機能について網羅的に学びます。また、薬の作用原理と深い関わりのある熱力学の理解を図ります。
分子を道具(ツール)や装置(デバイス)として用い、生体内のバイオ分子の状態や反応を可視化・制御する、というのがケミカルバイオロジーという学問分野の基本的な狙いである。したがって、バイオ分子に作用して働きを制御するという医薬品の開発に、ケミカルバイオロジーの考え方は非常に近く、創薬を学ぶ上で大変参考になる分野であるといえる。
創薬にはさまざまな科学やテクノロジーが関わっています。本科目では、創薬プロセス全体を把握し、各プロセスに関わる科学やテクノロジーを創薬の観点からより深く学んでいきます。また、ガン、インフルエンザ、エイズ等を題材にして医薬品開発の実例について学びます。
本科目では、ゲノム科学やタンパク質科学の進展を背景として生まれてきた低分子医薬品、バイオ医薬品、遺伝子治療薬等について取り扱います。
医療・健康、創薬、診断等の学問分野および産業に関係する諸科学を理解しながら、活性酸素、一酸化窒素、タンパク質、ゲノム創薬、細胞解析等の最前線について学んでいきます。