TA募集はじまる

以前にお話したように、FIRSTの夏休みはイベントが盛りだくさん。毎日のように高校生や中学・高校の先生がやってきて実験していきます。今年の夏休みも、たくさんの高校生や中学・高校の先生がやってきて実験をする予定となっています。

ちょうど試験明けから、それらの実験講座の指導・補助を行うティーチングアシスタント(TA)の募集が始まりました。

以前にもお話ししたように、学部の学生さんにとってTAとして、高校生や高校の先生に実験を指導することは「指導することの難しさと楽しさ」を知ることができるとてもよい経験となります。まだ学生だから教えなくても大丈夫と思っていても、いずれは指導する立場にもなりますので、今のうちに指導力を養うことはとても大切と我々も認識しています。

今年はTA希望者が多いようですが、無事に希望の講座のTAになれるでしょうか。

TA


クォーター制の導入

今日は、以前に「試験前のマイラボ」の時に少しだけ触れていたFIRSTがクォーター制を導入した理由についてお話します。

皆さんの中には「クォーター制(4学期制)」という言葉自体を聞いたことがない方も多くおられるのではないのではないでしょうか? というのも、日本のほとんどの大学では、クォーター制ではなく、セメスター制(2学期制)を採用しているからだと思います。我々FIRSTの教職員も、大学時代はセメスター制で学びました。ただ、海外ではクォーター制を採用しているところも多くありますので、中には知っておられる方もおられると思います。教職員の中にも海外へ留学した経験をもつものもいます。その時の経験から、開設準備委員会のときにクォーター制が長所が取り上げられ、FIRSTで採用されるに至ったわけです。

まず、我々が思っていたセメスター制の問題点からお話しします。

セメスター制では週に1度しか講義がなく、また、たくさんの講義科目が前期や後期に同時に開講されているので、前の週に講義で話した講義内容を忘れてしまっている学生が多くいます。また、高校のように中間テストがない科目も多くあるため、テスト前に試験範囲を丸暗記してテストに臨む学生さんが大半となってしまいます。結果として、テストが終わるとテスト前に勉強したことをぜんぶ忘れてしまうんですよね。試験前に必死に覚えた英単語が試験後にはすっかり記憶の片隅からも消えてしまっているあの状態です。

一方、クォーター制では、前期や後期をそれぞれ2つに分けるので、クォーターの各期においてはセメスター制で開講されていた半分の科目が週に2回ずつ開講されることとなります。週に2回もありますし、科目数もセメスター制の半分となりますので、前の講義の内容を忘れてしまっている学生さんもだいぶ少なくなり、講義毎の理解度は大きく向上することが期待されます。また、場合によっては前の講義の内容の演習形式で定着させることもできるわけです。

また、理系の専門科目の中には、ある講義の内容を発展させたものを勉強させていく「積み上げ式」の講義科目も多くあります。セメスター制では4科目の積み上げが前期、後期、前期、後期と計2年もかかりますが、クォーター制では半分の1年の期間で修得することが可能となります。大学入学後に、目指す道を変えた学生さんに進路変更の余地を残すことができるわけで、非常によい制度と思い、導入に至りました。

だからといって、すべての科目をクォーター制にしたわけではありません。共にいいところもあれば悪いところもあります。FIRSTでも、それぞれの制度のいいところを活用できるように、このセメスター制とクォーター制を講義科目によって使い分けて利用しています。

例えば、時間をかけて継続的に学ばせたい語学のような科目やレポート作成である程度の時間をかけてじっくりと調べたり、考えたりする必要のある実験科目はセメスター制として開講し、短期間で集中して学ぶことが良いと考えられる専門科目はクォーター制として開講しています。

今年で3年目。実際に導入してみてどうだったのか? 

学生さんの講義内容に関する習熟度に関しては、セメスター制よりもクォーター制の方が格段に向上したように思えます。また、試験期間が4期に分散しているため、試験勉強を通じてしっかりと学びを深めることもできているようです。

教員にとって予想外だった点は、講義期間中に学会などで1週間ほど出張に行くと2回も補講をいれないといけないことです。クォーター科目がその期に2つ開講されていれば補講を4つ。こればっかりは想定外でした・・・。

ただ、学生さんが成長していく姿を見ると、そんなこと忘れてしまえますけどね。


神戸マラソンにエントリー!

「感謝と友情」がテーマの神戸マラソン。このところの市民マラソンブームもあって、たいへん大きな注目を集めているようです。

実は、FIRSTにも神戸マラソンでフルマラソン完走を目指す教員がいます! 

分子設計化学研究室の三好先生です。

しかし、定員18,000人のところ、最終エントリー数は約64,000という狭き門。当落結果通知をどきどきしながら待っているところだそうです。

走るのが好きな学生のみなさん、三好先生と一緒にマラソンサークルをつくったらどうですか! (ただし、走るのは早朝ですよ。三好先生は昼間に走ったりはしませんので、一緒に走ろうという学生さんは早起きの覚悟を!)

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(朝7時、走り込みを終えてポートアイランドキャンパス前でクールダウン中の三好先生。)

余談ですが(というか、こちらが本職の話ですが)、現在、三好先生は、ミュンヘン工科大学のSimmel教授、ネブラスカ大学医療センターのMarky教授、インド・ゲノム・統合生物学研究所のMaiti教授と一緒に、Journal of Nucleic Acidsというインターネット版科学雑誌の、特集号の客員編集者(Guest Editor)をしています。

(Nucleic AcidsとはDNAなどの「核酸」のことです。)

われわれ研究者の大事な仕事のひとつに、「研究成果を論文にまとめて専門分野の科学雑誌に投稿し、審査を経て、掲載してもらう」というのがあります。科学雑誌に掲載された論文が他の研究者の参考になって、新しい研究が生まれ、、、、という過程の積み重ねで科学や科学技術が進歩していくのですね。その審査の、いわば審査委員長のような仕事を任されたということは、その道の権威と認められているいうことですね。


今週の1年実験

今週の1年実験はナノバイオ分野を中心に紹介いたします。
内容は【分光光度計を使った色素の定量】です。
まず、一般の方にもおなじみの言葉、色素から説明をはじめていきましょう。

色素のなかには、水素イオン(H+)と結合すると色が変わるものがありますね。高校の教科書に載っているpH指示薬(酸塩基指示薬)ですね。「溶液の色が赤く変わったから酸性だ!」とかいうあれです。

分光光度計という装置は、可視光の吸収(つまり色)を測定できる装置なので、これを使えば目で見るよりも、ずっと厳密に色の変化を調べることができます。厳密に調べる、というのは「どのくらいの量の変化か」というところまで調べる、という意味で、これを「定量」というんですね。

UV

この実験では色の変化を定量的に調べて、「その色素がどのくらい強く水素イオンと結合するか」(←これを読んで、「つまり、どのくらい強い塩基か、という意味ね」と思った方はきっと化学の道に向いている方ですよ)を知ることができるのですね。

それが何の役に立つか? ある分子が、他の分子やイオンと結合する強さを計るというのは、化学のあらゆる分野で大切なことなんですよ。例えば、薬分子を設計する場合だって、体の中の作用先である酵素やレセプターと「どれくらい強く結合するか」を調べたり予測したりすることが欠かせません。
 

それから、直接何かの役に立つということだけでなく、
数量的スキル(自然や社会的事象について,定量的に分析し,理解し,表現する力)は、大学で身につけるべき重要な就業力の一つと言われています。そういうトレーニングとしても格好の題材といえるでしょう。

同じような解析を、pHメーターを使った測定データからも行うことができます。

ph

pHメーターはどんな分野でもよく使う機器ですから、学生の皆さんはしっかり使い方をマスターして下さいね。1年生にはちょっと難しいかもしれませんが、興味がある人は「原理」もぜひ。 将来、必ず焼役に立ちます。

さて、長くなりますのでバイオ分野とナノ分野は、今回は画像のみの簡単な紹介にとどめます。

(バイオ分野の実験の様子)

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(ナノ分野の実験の様子: 使うガラス器具を間違えてることに気付いてあわてています。)

conden

 


学生レク企画

今日でクォーターA期の試験は終わり、明日からB期が始まります。

その区切りもあり、今日はレク委員によって企画されたレクリエーションがありました。

以前に紹介したキャリア委員の他に、楽しい企画を立案して行う「レク委員」というのもあるんです(楽しそうでしょ)。BBQをしたり、フロア毎に料理を持ち寄ってパーティーをしたり、これまでにもいろいろな企画が実施されてきました。

今日のレクは、学生の交流が目的の、歌あり、クイズあり、ビンゴあり、笑いありの楽しい会でした。
勉強も大事ですが、自分たちで企画して大いに楽しむことも学生生活には重要ですね。マイラボで上級生と話すきっかけのない1年生もこれを機にみんなと仲良くなってくださいね。

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レク委員のみなさんお疲れ様でした。