グルメブログに変更?

グルメブログに衣替えするわけではありませんが、今日の内容はグルメブログ風です。

夏休み期間中は、授業がないため、1-3年生の姿はぐっと少なくなります(中にはマイラボで勉強している学生や、研究室で研究補助のアルバイトをしている学生もいますが)。教職員や大学院生はいるのですが、オープンしても利用者数があまりに少ないということでカフェテリアが閉まっているのです。外食(?)するよりほかありません。 

というわけで、サイエンス島のグルメ研究者たち(?)と題して今回紹介するのは「中国酒家 華苑」さん。ポートライナーの「みなとじま」駅と「市民広場」駅のあいだにあります。ランチバイキングが980円というリーズナブルプライスで、品数も味も大満足。からあげや海鮮ものだけでなく、野菜の種類が豊富なのがうれしいです。点心、焼きそば、炒飯に、デザートもあります。

kaen
(難点は、食後、満腹すぎて苦しいこと。これは客側の問題ですね。)

企業が大学生に求める能力とは?(3)

前回、「企業が大学生に求める能力」を身につけるために、FIRSTでは「研究で学ぶ」ということを書きました。

FIRSTでは「研究で学ぶ」ために、次のような準備をしています。

  • 「研究」を意識してもらうために、同じキャンパス内に研究所があります。キャンパス自体もポートアイランドの研究開発ゾーンに設置されています。
  • 「研究」を感じてもらうために、学生専用スペース・マイラボの隣には実験室やミーティングルームがあります。
  • 「研究」を知ってもらうために、学生専用スペース・マイラボと同じフロアに教員研究室があります。
  • 「研究」に触れてもらうために、例えば授業が無い期間に研究室での研究補助のアルバイトを受け入れたりすることもあります。
  • 「研究」を実践してもらうために、3年生の学生実験は各人がテーマを選択します。

このように、通常は4年生や大学院生になってから取り組む「研究」を、早くから意識付けや教育に取り入れているのがFIRSTの特徴です。

もちろん「研究で学ぶ」理由の一つは、FIRSTの役割、つまり設置の目的が、ナノやバイオなどの先進テクノロジーに取り組む自立した研究者を養成することだからです。

しかし、前回から書いているように、研究者を目指さない人にとっては、研究は決して無意味なものではありません。研究者以外の進路を目指す人にとっても、「研究」は最も優れた教育コンテンツだといえます。それは、研究を行うことによって、学生たちが社会に出たときに必要とされる力をホールパッケージとして養うことができるからです。

ホールパッケージ(whole package)という言葉が大学教育に使われる言葉かどうかはわかりませんが、「すべてが揃っているセット」というような意味で、例えば、歌手のオーディションで 審査員にYou have the whole package ! と言われたら、ルックスも歌唱力もダンスもショーマンシップも全部揃っている! というような意味になります。

では、研究で培われる「能力のホールパッケージ」とはどのようなものでしょうか?

長くなりましたので、次回、研究で養える力について、企業が大学生に求める力と対応させながら書いていきたいと思います。


個性が見えるマイラボ(2)

大変長期のご無沙汰になってしまいましたが、個性が見えるマイラボシリーズ第2弾です。
(前回はこちら

みなさん、長い時間を過ごすマイラボですから、癒し系グッズを置いている学生さんも多いですね。特に試験期間中など、心が折れそうになったときには大いに癒し系グッズのお世話になっていることでしょう。

プチトマト1
(背景は神戸空港)

究極の癒しといえば、やはり緑でしょうか。こちらの学生さんはプチトマトを栽培中。名前はポポティだそうです。名前をつけてしまっては食べにくい気もしますが、早く実を育てて、リコピン効果で夏を乗り切って下さい。

プチトマト2

え? トマトに含まれているのはリコペンじゃないかって?

どちらも正解でしょうね。綴りはlycopeneですから、実際の読み方に近いのはリコピン、いやライコピンかな。

高校生の方は、こういった「化合物の読み方」が大変ややこしいという話を、授業で聞かれたことがありませんか?

Alkane は教科書ではアルカンと書かれていますが、実際の発音はアルケインが近いですよね。
Alkene は教科書ではアルケンですが、実際の発音はアルキンが近い。
Alkyne は教科書ではアルキンですが、こちらの発音はアルカイン。

将来、留学したときに、alkaneをアルカンと発音すると、”alkyne?” と誤解されて困ることになるかもしれません。

これ以外にも「えっ? そんなふうに呼ぶの?」と驚かされる用語はたくさんありますが、通じない化合物名の代表例はアセトニトリルとエーテルではないでしょうか?

CH3CN acetonitrile アセトニトリル → アスィトナイトラル
ROR’     ether            エーテル    → イーサ 

いくら「エーテル!」と連呼しても、「ん? エステルでしょ?」と言われてしまいます。
 
それから、ちょっと変わったところでは、decyl デシル。ブログ編集者の留学先(ロサンゼルスの数十km南)では、デクル、と呼ばれていたんですが、これは他の場所ではまったく聞きません。南カリフォルニアの方言なのかなあ?


企業が大学生に求める能力とは?(2)

前回からの続きです。前回は、企業がどのような能力を大学生に求めているかについて書きました。

その記事に掲載したアンケートの回答結果をみると、重視されているのは「行動力・実行力」「バイタリティ・熱意」「協調性」、さらに「論理的思考力」「物事に対する理解力」「常識・マナー」「幅広い一般教養」「プレゼン能力・表現力」「我慢強さ」と続いていました。

では、これらの能力や姿勢は、授業を通じて身につけることができるのでしょうか?

もし「授業とはまったく関係ない」と思っている学生さんがいれば、その学生さんは「アルバイトや部活の経験の方が、社会に出てから役に立つ」と考えてしまい、大学での学びよりもアルバイトや部活を重視して、さらには、授業やゼミが、就業力・社会人力を身につけたり就職活動を行ったりするのに邪魔なものとさえ考えてしまうかもしれません。

実際に、(FIRSTにはまだ4年生はいませんので、前任地での経験談になりますが)4年生になって、ゼミや演習といった学業よりも、就職活動にばかり一生懸命になって、苦戦をする学生さんは少なくありません。早く就職を決めたい、そのためには多くの会社をまわりたい、と焦る気持ちはわかるのですが、私たちから見れば、「力」をつけないで就職を決めたいといっても、「そりゃ苦戦して当然」ということになります。

スポーツで言えば、練習をせずに、試合に出たい・活躍したい、そのためにはたくさんの試合にエントリーしたいから練習する時間は取れない、と言っているような状態でしょうか。 悪循環ですよね。 

そうならないためには、しっかり練習をして力をつけておく、つまり、早い段階からしっかり大学での学びに取り組んでおくことが大切なんです。

そうは言っても、授業、特に講義だけで、上に挙げた「企業が求める力」が身に付くとは想像しにくいかもしれません。では、どうすれば授業を通じて、企業が求める能力を身につけることができるのか?

FIRSTの用意した答えは、学びの中心に「研究」を位置づけることです。「行動力・実行力」「バイタリティ・熱意」「協調性」「論理的思考力」「物事に対する理解力」「常識・マナー」「幅広い一般教養」「プレゼン能力・表現力」「我慢強さ」・・・ これらはすべて研究を通じて身につけることができる、あるいは、研究を行う際に発揮することが求められる類のものです。つまり、研究の力を身につけることは、研究者になるためだけではなく、広く社会人としての力を身につけるために役立つものなんですね。

そこでFIRSTでは「研究で学ぶ」を学部の特徴の一つにしています。
次回は「研究で学ぶ」の中身について書きたいと思います。


サイエンス島の蝉

8月に入っていよいよ厳しい暑さになってきました。

ポートアイランドキャンパスでも、セミの声がうるさいほどです。セミはふつう、成虫になってから長くても1kmほどしか移動しないそうですので、埋め立てて作られた人工島にセミがいるのもちょっと不思議な気がします。これは、おそらく埋め立てに使った六甲山系の土に、卵や幼虫が混じっていたからだろうと思います。

今鳴いている蝉はほとんどがクマゼミですが、私が子供の頃は、関西ではほとんどアブラゼミばかりで、クマゼミやミンミンゼミのような羽が透明のセミを捕まえたら、しばらくはヒーローでした。最近はアブラゼミが減ってクマゼミが増えているような気がしますが、その原因の一つと考えられているのが温暖化だそうです。温暖化はセミの分布だけでなく、生態系にさまざまな影響を与えますのでやはり真剣に考える必要があるのだと思います。
 
kumazemi

シュワシュワというクマゼミの鳴き声は夏の暑さを倍増させるような気がしますが、やがてミンミンゼミの声が優勢になり、ツクツクボウシにかわるころには、キャンパスにもだんだんと秋の気配が漂ってくることでしょう。それまでしばらくの間、猛暑に負けずせっかくの夏を楽しみましょう。