サイエンスライブチケット(学会発表編)

FIRSTの学生実験は、1年生から実践的なプログラムが実施されます。
1,2年生の間は生物から化学にわたる基礎的な操作を幅広く学び、基礎的な技術を習得します。そして、3年生になるとステップアップして学生実験を担当する教員の指導の下で、半年間、研究テーマを与えられ、それに取り組みます。

良い結果が出れば、学会発表や論文発表のチャンスも生まれます。

今回は、3年前期の学生実験科目(ナノバイオラボ2A)で得た研究成果を、茨城県のつくば市で開催された第5回バイオ関連化学合同シンポジウムにてポスター発表してきました。ポスター発表会場は多くの参加者がおり、学生さんたちのポスターの前にはたくさんの人が集まり、90分間自分たちの研究成果を説明し続けていました。

中川勢旗

参加してみた学生さんに学会発表の感想を聞いてみました。

〔勢旗君の感想〕
 ポスター発表に向けて、一緒に発表した中川君とお互いの発表内容に対して質問をし合いながら練習を重ねました。実際に発表してみると、自分がこだわってい
たポイントでないことについてよく質問されました。自分が実験をしながら重要だと思っていたことはあまり聞かれず、聞く側の興味と実験する側にはギャップ
があるんだなぁ、と思い、今後実験する際は、実験する時にもそのようなことを考慮しなければならないと強く思いました。また、人に伝えるのは、相手
の気持ちや状況を考えないとうまく伝わりにくいことも強く感じました。相手がこの分野に詳しい方の場合は、懇切丁寧に説明してもイラつかせるだけでしたし、詳しくない方のときには逆に要点のみ説明しても理解してもらえないこともありました。そのことから、説明は一方通行ではなく、相手の反応を見ながら、
説明の詳しさや話す速さを変えることの重要性を感じました。
 ポスター発表をした中で唯一心残りなところは、実験中は考えもしなかった観点から質問も受け、それに対して適切な回答ができなかったことで、それが今でも悔しいです。次に発表する際には、これを教訓にして、すべての質問に答え、もっとうまく説明したいと思っています。

 学会発表は何度しても慣れないものです。しかし、発表の経験を次に活かしていけばきっとうまいプレゼンもできるようになるはずです。この向上心で今後も頑張って欲しいですね。


面接マナー講座

フロンティアサイエンス学部(FIRST)の最上級生である3年生。これから就職活動に向けて本格的に動いていくことになります。

そこで、10月21日の金曜日、FIRSTの学生を対象とした、面接の基本的な事項を学ぶ「面接マナー講座」が開催されました。講師には、大学や企業でビジネススキル・マナー・接遇・コミュニケーションなどの各種研修を担当していらっしゃる田中桂子先生(クラス アプレシエ 魅力学研究所)をお迎えしました。
 
当日、参加できなかった学生さんもいると思いますので、今回の記事では、FIRST担当キャリアカウンセラーの白澤さんにまとめていただいた「面接マナー講座」のポイントを掲載します。参加した学生さんも、あらためて内容を振り返り、今後の参考として下さい。

「10月21日の面接マナー講座のポイント(FIRST担当キャリアカウンセラー 白澤)」

今回のモデルは3年生の永井君と谷川さんです。

ブログ用

まず、自己紹介から「第一印象を良くしよう!」という意識を持って!
 
姿勢、身だしなみ、表情に気を付けて。
何かを言われたら必ず返事をする(言葉を返す)。
(失礼致します、ありがとうございます、恐れ入ります等の言葉を使い分ける)

他に服装や持ち物、髪型等の身だしなみ、電話の掛け方、自己PR、面接時の態度などについて教えて頂きました。一回では中々マスターできることではないので、分からないことがあればいつでも聞きにきて下さい。(マナーについては八谷さんがお詳しいです!)

今年は就活期間が短縮される分、例年より迅速な行動が必要です。あと1ヶ月で就活サイトもオープンし、本格的にエントリーや企業説明会等が開始されます。そうなればエントリーシートの作成・提出、筆記試験・面接....と一気に多忙になってくるはずです。

今やるべきことは業界・企業研究、自己分析から自分の強みや働く意味を明確にする、筆記試験対策などですね。学校の就職関連行事も増えて来ます。今一度「就職便覧」を熟読してください。初めての経験でわからないこと、不安なことも出てくるかと思います。そういうときはどんなことでも構いませんので(気分が乗らないとか)、気軽に相談にお越しくださいね!
(参考までに、後期の白澤さんの相談日は月・水・金の各13時から18時です。)
さて、続いては、「面接マナー講座」に関する、ポートアイランドキャンパス事務室から学生さんに向けてのコメントです。ポートアイランドキャンパス事務室では3名のキャリア担当者(谷向さん、西村さん、八谷さん)が学生サポートにあたられていますが、今回は3名を代表して谷向さんにコメントしていただきました。
「10月21日の面接マナー講座を振り返って(ポートアイランド事務室 谷向)」

基本的な事項から田中先生独自のコツまで教えていただき、非常に有意義な時間でした。なお、このようなマナーを「シュウカツ」のテクニックだと思わないで下さい。お聞きした事は社会に出てからも通じる最低必要な事項です。特に社会人基礎力とされている「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」は常に意識して欲しいと思います。身内ばかりで気恥ずかしさもあったのか皆少し大人しかったかと思いますが、一生懸命取り組んでくれました。今回の受講は、自分の行動が社会で通用するか考える良い機会だと思います。

身近な所では、事務室も社会の一つです。例えば、来ると約束して来ない。呼び出しても来ない。提出期限を超過しても笑いながら書類を持参する。「学内の書類だから」と言って適当な書類を出す。身に覚えのある学生さんもいるでしょう? それで良いのか、一度考えてみてください。普段できないことが急に就活でできる、という考えは正直甘いと思います。

これからも様々なイベントがあります。「実験が忙しい」「アルバイトが忙しい」から、「岡本が遠い」「参加する意味あるの?」、色々都合や思いがあると思います。しかし、田中先生がおっしゃったように、それを判断の上、行動しなければ何も始まりません。やってみると意外と簡単だったり楽しかったりしますよ。中野先生が最後におっしゃった平生先生のお言葉「常ニ備ヘヨ」です。準備を怠らず、恐れず行動して行きましょう。

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というわけで、FIRSTの学生のみなさん、このような講座をきっかけにして、専門的知識・能力だけでなく、社会人として必要ないろいろな力を身につけていきましょう!


専門家による応用専門科目

先週の土曜日(11月5日)、一般公開が行われていましたが、別の階では、「医療関連研究開発論」という3年生対象の授業が行われていました。ご担当頂いたのは株式会社日立製作所中央研究所フェローの神原秀記先生。 

神原先生が開発された高性能な遺伝子解析装置(DNAシーケンサー)のおかげで、ヒトゲノム計画が早く完了したということで、「ヒトゲノム計画の影の英雄」と世界で賞賛されている方です。学生がうらやましい。

この「医療関連研究開発論」ように、フロンティアサイエンス学部には、ナノやバイオを「活かせる」分野や領域を学ぶ応用専門科目が多数あります。その中でも、特に専門性の高い科目では、学外から非常勤講師をお招きして授業をしていただいています。

例えば、医療。私たちは医療を支えるテクノロジーについて教えることはできますが、実際に臨床医療に携わっているわけではありません。薬についても同じことが言えます。また、上記の「研究開発」にしても、私たちは企業との共同研究は行っていますが、企業の開発戦略や開発の進め方を身につけているわけではありません。 

そこで、そういう内容の科目は、お医者さんや企業の研究開発部門の方に担当していただこう、というわけなんです。神原先生の場合は、ご担当された研究開発も普通のものとはスケールが違いますので、講義内容も戦略的・技術的なことだけでなく、もっと地球規模なトピックについてもお話し頂いているようです。


一般公開、ご来場有り難うございました。(2)

本日のフロンティアサイエンス学部一般公開では、雨天にもかかわらず、600名を超える皆様にご来場いただきました。ありがとうございました。

至らない点もあったかと思いますが、もし、ナノやバイオに少しでも関心を持って頂けたとしたら、また、公開内容やイベントを楽しんでいただけたとしたら、これに勝る幸せはありません。

前回の「実験体験教室」の紹介に引き続き、「研究展示」「模擬講義」「DNAカードゲーム」「PCで描く!分子構造の携帯待受画像」の模様を画像で紹介させていただきます。

顕微鏡
(顕微鏡でいろいろな生物を観察していただきました。)

BZ

(周期的に色が変わる不思議な反応。原理を解説中です。) 

アルツ

(模擬講義:「アルツハイマー病、早期診断で快適な生活を」。やはり、今回のイベントには、医療に関心をお持ちのご来場者が多いようでした。)

PC1

(PCで描く!分子模型の携帯待受画像: 子供さんはあっという間に、ソフトウェアの使い方をマスターしてしまいます。現在、タウリンの分子構造を描画中。)

PC2

(描いていただいた分子構造は、三次元に変換し、くるくる回転させて、その動画(アニメGIF)を携帯電話に送信させていただきました。携帯電話の壁紙が、自分が描いた分子構造だなんて、ちょっと他にはいらっしゃいませんよ。)

DNAカード

(対戦! DNAカードゲーム: DNAの組み合わせによってアミノ酸を合成してポイントを稼ぐカードゲーム。幼稚園児から大人まで、多くの皆さんにお楽しみいただきました。小さなお子さんは、遺伝子異常カードの出現に「ちょっと怖そう」。)

 理科離れという言葉もありますが、 きょうご来場の子供たちの中には、分子構造の資料を見ながら「周期表全部おぼえた。ランタノイドとアクチノイドはちょっと自信無いけど。(← そりゃ、大学教員でも自信ありません)」という小学生や、「グリニャール反応、知ってる(← 大学の化学で習います)。ほかにも、○○反応、○○反応・・・」という小学生 も。

 このように理科が”超”大好きな小学生から、初めて理科実験に触れる小学生、さらには、理科とは無縁、あるいは遠ざかって久しいという大人の方まで、多くの方々にさらに楽しんでいただけるよう、来年に向けて計画・準備を進めて参ります。

 来年、またのご来場をお待ちしています。