FIRST 愛

某プロ野球チームの監督が「ジャ○ア○○愛」とよく言っておられましたが、今日は「FIRST愛」のはなし。初恋のことではありませんよ。フロンティアサイエンス学部・研究科(FIRST)は、ポートアイランドキャンパスとともに誕生してまだ4年目。歴史が浅い分、「自分たちのFIRST」という気持ちをもっている学生さんが多いという話です。

 その気持ちを「かたちあるもの」で残してくれたのが、2年前に大学院フロンティアサイエンス研究科を修了した濱田君。カフェテリアのカウンターに合った、スツール一式を寄贈してくれました。おかげで、このカウンターは、学生たちが気軽におしゃべりするのにぴったりの場所に生まれ変わりました。今日も、濱田君のスツールに腰をかけて、学生たちは楽しくおしゃべりしたり、試験やレポートの相談をしたりしていることでしょう。

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 あっ、もうすぐ卒業する学部1期生の皆さん。別に、何かを要求しているわけではありませんからね!

建学の精神(プレゼン演習1)

もうすぐ大学入試シーズンの開幕ですね。受験生のみなさんは最後の追い込みに大変な努力されていることと思います。 

 2月にはまず私立大学の入試がスタート。そして3月には国公立大学の入試が控えています。 

 さて、その私立大学と国公立大学、いろいろ違いがあってどちらを目指したらいいのか受験生の皆さんも迷うところだと思いますが、私立大学には有って国公立大学には無いのが、創設者による建学の精神ではないでしょうか。

 伝統ある私立大学の創設者には、有名な人物が多く、また、有名なだけあって、思想や行動や言葉にも重みのあるものが多い。その思想や行動や言葉が、現代の大学教育にも色濃く反映されている、これが私立大学の特徴であり、また、個々の私立大学に互いに異なる魅力を与えているといえるのではないでしょうか。 

 甲南大学の創設者は、平生釟三郎。

「東京海上保険をはじめとする損害保険業界の近代化に貢献し、川崎造船所の再建を成し遂げて」、「患者本位の治療を施すために甲南病院を設立し」「さらに貴族院議員や枢密顧問官に任ぜられ、」「広田弘毅内閣の文部大臣として、義務教育の年限延長や官学と私学の差別撤廃、それに師範教育の改善を提唱した」(甲南大学ホームページより)という人物です。

 やはり甲南生たるもの、平生先生の「建学の精神」を知っておかねば、というわけで、1年生の授業「プレゼンテーション演習1」では平生先生に関する課題が出されています。

 “ 平生精神のどのようなところが、このフロンティアサイエンス学部で具現化されているか ”

 このテーマについて、調べ、考え、スライド2枚に纏めて2分間のプレゼンテーションを行うのです。

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(プレゼンテーション演習1にて「平生の考え」についてプレゼンをする学生) 

 FIRSTの学生たちが、自分たちの学部と「平生の考え」のあいだにどのような接点を見出したのか。いくつか紹介したいと思います。

 ・「世界に通用する紳士・淑女たれ」
 → 世界に通用する研究をするぞ!

 ・「日本の教育は教えると云ふだけで、ものを考えさせると云ふことはしない」
 → 考える講義、考えさせられる実験の授業を受けています!

 ・「学生時代は一つの思想に偏ること無く広く勉強せよ」
 → 1年次の4つの序論科目でバイオからナノまで広い分野の科学を勉強しています!

 ・「常に備えよ」
 → 万一パソコンにトラブルがあってもレポートの締め切りに遅れないように、早めに準備するよう教えられています!

 ・「個性を尊重して各人の天賦の特性を伸張させる」
 → 少人数制です!

などなど、少し「?」なものをありますが、90年前の「平生の考え」に照らして自分たちの目標や強みを見つめ直すよい機会になったのではないでしょうか。

 改めて考えてみると、「平生の考え」を最もよく具現しているのは、学部のカリキュラムでも制度でもなく、学生たち自身かもしれませんね。


難しいけど優しい?! FIRSTの定期試験(セミナー、生協、クォーター制)

現在、FIRSTでは定期試験の真っ最中。

 ブログ編集者が大学生の頃は、バブル経済まっさかり。定期試験も、単位を集めて卒業さえできればなんとかなるだろうと、「軽め」に取り組む学生も多くおりまして、また、実際何とかなったりしたのですが、今の学生はそうはいきません。

 定期試験の結果、合格すれば単位がもらえるのですが、その中身は、秀・優・良・可の4段階にわかれています。この成績の良し悪しが、就職活動はもちろんのこと、3・4年生のときの研究テーマ選びや、大学院の推薦入試や飛び級入試の選考など、いろいろな重要ごとに大きな影響を与えるのです。

 そんな大事な定期試験ですから、教員もできるかぎりサポート。学生からのリクエストに応じて、キャッチアップセミナーという授業時間外の対策セミナーを行っています。

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(25日に行われていたキャッチアップセミナー: 有機反応各論(上)と薬理学(下))

キャッチアップノート
(薬理学のキャッチアップセミナーで学生が使っていたプリント、ノート、テキスト)

 サポートしているのは教員だけじゃありません。生協さんでも「テスト応援企画」を実施してくださっています。 

テスト応援企画
(メンチカツもかき揚げも、オーダーしてから揚げてくれますから、おいしいです。)

 さてそれから、何と言っても最大のサポートは「クォーター制」でしょう。学生に優しい制度なんです。 

 クォーター制では、週に2回授業を行い、7-8週で講義が終わります。その後、すぐに定期試験を行います。FIRSTでは専門科目の多くがこのクォーター制を採っています。

 これがなぜ学生に優しいのか? 仮に、履修している専門科目が4科目あったとしましょう。普通は学期末にこの4科目の試験がまとめて行われます。でも、これらがクォーター科目であれば、学期の前半に2科目、学期の後半に2科目という具体に、試験が分散するのですね。 

 身に付けないといけないトータルの分量はどちらでも同じですが、2科目ずつ集中的に試験勉強をする方が対策を立てやすいし、身に付きやすい。何より、「来週までに4科目も試験勉強するなんて絶対無理や! 2科目は捨てた! 逃げたんやないよ、こういうのは戦略いうねん。」というような安易な発想は生まれませんよね!


現在、後期およびクォーターD期の試験期間中

1月も下旬を迎え、現在は、授業は全て終了しセメスター後期およびクォーターD期の試験中です。

 試験前から試験中にかけて、ポートアイランドキャンパス内のあちらこちらで見られるのが、学生同士の勉強会です。日曜日でも夜でも学生たちの姿が見られます。

 学生自身のスペースであるマイラボや、空いている講義室・ミーティングルームなどを使って、一緒に試験対策をしたり、ある科目を得意な学生が不得手な学生に講義をしたりするんですね。

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(ホワイトボードを使って「講義」をしているのは学生です)

 もちろん教員も呼ばれて試験対策講座のようなことをします。

 このような学生同士や学生-教員のネットワークを活かした学びは、各学生がマイラボに自分のデスクをもつというポートアイランドキャンパスの特徴によるところが大だろうと思います。

 試験期間が終わったあとの休業期間中(春休み)も、このような学びは続いていきます。

 考えてみると大学生の春休みって長いですよね! 2-3月がまるまる春休みです。大学生の親御さんは「高い授業料を払っているのに・・・」と思われるかもしれません。

 FIRSTでは、休業期間中も、マイラボを使用することができます。もちろん、マイラボのすぐ横にある研究室には、春休み中でも教員も大学院生がいますので、いろいろな質問や相談をすることもできます。休みの間、大学を離れて旅やアルバイトなどさまざまな経験を積むのもよいですが、マイラボを使って「大学」を利用し尽くすこともできるのがFIRSTです。

 実際に、3月には臨時の英語セミナーや化学セミナーが予定されています。教えるのは教員で、もちろん無料です。休みの間も大学施設をたくさん利用して、いろいろなセミナーや実験に参加すれば、授業料も安いもの!?ですね。