みなさん、こんにちは! ポートアイランド事務室のNです。
前回の三好先生の多機能ウォッチはいかがでしたか?
さて、フロンティアサイエンス学部(FIRST)の教員のこだわりを紹介するこのコーナー、早くも(ようやく?)2人目です。
今回、渾身の逸品を紹介していただけるのは、フロンティアサイエンス学部長の藤井敏司教授です。学部長ですよ、みなさん。
紹介の品もぜったい学部長級ですよ(?)。
N「わあ、今回はギターですね! どんなギターをご紹介いただけるのでしょうか?」
先生「フレットが曲がったギターです。」
N「あっ、わかりました。印刷がずれているお札は価値が高い的なギターですね!」
先生「違います(笑)。ちゃんと理由があって、あえて曲げて作られているんです。」
N「うぬぬ・・・。で、先生、そのフレットというのは・・・すいません、音楽のことは何にも知らなくて・・・下町育ちなもので。」
先生「ほら。」
N「ほんとに曲がってる! すご~い。」
(みなさん、ここからはしばらく音楽の時間です。ちゃんと寝ずについてきて下さいね。)
先生「Nさんは平均律というのを聞いたことがありますか?」
N「・・・。」
先生「ほら、バッハの平均律クラヴィーア曲集とか、あるでしょう?」
N「・・・・・。」
先生「例えば『ド』から1オクターブ上の『ド』まで、ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#・ラ・ラ#、シ、ドの13種類の音がありますよね。その『ド』から『ド』までを12等分するような音律が平均律です。」
N「13個の音なのに12等分ですか? あっ、私得意なやつです。つるかめ算、ん? ちがう! 植木算ですね!」
先生「ギターでもピアノでもこの平均律が一般的に使われているのですが、ちょっと問題あるんですよ。」
N「何ですか?」
先生「和音がきれいにハモらないんです。」
N「えーっ? ピアノやギターではきれいな和音は弾けないということですか?ショックです。」
先生「はい、厳密に言えば。例えば、『ドミソ』の和音。ちょっと難しい話になりますが、完璧な響きにしようと思ったら、『ミ』と『ソ』は、『ド』の周波数(1秒間に何回空気がふるえる音か、という数字)のそれぞれ『5/4倍(1.25倍)』と『3/2倍(1.50倍)』でないといけないんです。」
N「平均律だと何倍になるんですか?」
先生「ミが1.259‥倍、ソが1.498‥倍です。」
N「はぁ、ビミョーに違いますね。その違いが・・・」
先生「そうなんです。周波数がきっちり割り切れる関係じゃないので、平均律のドミソが同時に鳴るときれいに混じり合わないんですね。」
N「でも先生、おかしいです。平均律は12等分するんだから、平均律の方が割り切れる数字になるはずじゃないですか?ドから6番目の『ファ#』」がちょうど1.5倍になるとか?」
先生「おぉ、するどいですね。では、詳しく説明しますが、ここでの等分というのは等比数列のことで・・・」
N「せんせー! 私には難しすぎます(泣)。でも、響きがきれいなギターということはわかりました。その響きをちょっと聞けたりしますか?」
先生「ははは、最近は全然練習してないので・・・」
N「なんか、楽譜もジャカジャカじゃなくてボロロン、という感じなんですね。本格的ですね。」
先生「(笑)。Nさんのギターのイメージは、バッキングというんですが、フォークギターでコードをかき鳴らすような弾き方ですね。これはフォークギターじゃなくて、クラシックギターですからね。メロディも伴奏も1人でやらないといけないところが、難しいけどおもしろいところですね。」
N「えー、いいなあ、私もやってみたくなりました。才能ないですけど。」
先生「そんなこと、やってみないとわかりませんよ。」
N「わかります。昔、ギター教室に通ってたので。」
先生「えっ!?・・・やってたの・・・」
チーン
今回はここまで!学部長の特別音楽講義とNの黒歴史カミングアウトで終わってしまいました。
貴重な学部長対談、このまま終わらせません。
次回、渾身シリーズ番外編~学部長、ギターと出会う~をお届けします。