カテゴリー別アーカイブ: 研究

今年もFIRSTからサイエンスインカレに出場が決定!

サイエンス・インカレは、文部科学省が主催し、全国の理系大学生に自主研究を発表する場を設ける場として、昨年度から開始されたイベントです。

 昨年開催された第1回大会では、FIRSTからも3年生だった中川雄市君、勢旗志郎君の2名がチームで出場し、ポスター発表を行いました。そして、その発表が評価され、見事、企業賞(日本曹達賞)を受賞しました。

せはたなかがわ
(昨年の第1回大会の賞状を手にしている中川雄市君と勢旗志郎君)

 第2回大会となる今年もFIRSTの学生たちが出場申請をしまして、審査の結果、以下の学生さんが、3月2日、3日に幕張メッセ国際会議場で行われる本大会へ出場することが決定しました。

4年生 勢旗志郎くん (ポスター発表)
「生物が極限環境で代謝産物を複合的に用いる意義」

4年生 髙木琴味さん (ポスター発表)
「ELISA検出感度向上を目指して ~ベタイン型添加剤を利用した西洋わさび由来ペルオキシダーゼの活性化とその作用メカニズムの解明~」

 勢旗君は、昨年に引き続いて2度目の出場です。

 二人とも全国大会で頑張って活躍してほしいですね。


研究発表会(3年生実験)

1月22日、3年生実験後期の研究発表会が開催されました。

 以前にもお話したようにFIRSTの3年生実験は、テキスト通りに実験を進める所謂「学生実験」ではなく、未知の事柄にチャレンジする研究体験型のプログラムとなっています。前期と後期それぞれ、半年間、3年生実験を受け持つ教員のもとで、週3日、研究を行います。

 テーマも一人一人異なりますので、「自分のテーマ」に思い入れややりがいを感じると思います。論文や特許の関係で、具体的なテーマ名をブログに書くことはできませんが、キーワードを挙げると、カタユウレイボヤ(ホヤ)、細胞内環境、細胞接着、アルツハイマー病、酵素反応、DNAの構造、ペプチド医薬、核酸医薬、環境汚染物質、ナノゲル(高分子)、金ナノ粒子、多孔性有機金属錯体などなど。

 このように多岐にわたるテーマから、前期と後期に別のテーマ、計2テーマを選択して取り組みますので、幅広い経験を積むことになりますね。

 さて、半年間の研究といっても、実質は9月中旬から1月中旬までの4ヶ月足らず。短い研究期間ではありますが、その成果をきちんと纏めて発表をする機会が必ず与えられます。それが22日に行われた研究発表会でした。

DSC_0291

 ポスター形式の発表で、学生それぞれが自分の取り組んだ研究成果について、教員や同級生、先輩・後輩たちにプレゼンテーションをします。

DSC_0306
DSC_0303
DSC_0300

 学部1,2年生も自分たちの学部でどのような研究が行われているのか、興味津々で聞いていたようです。

 確かにいずれは、自分たちも取り組むことになりますからね。先輩たちの姿勢や水準を受け継ぐのはもちろん、さらに高めていってもらって、FIRSTの良い伝統をつくっていってもらいたいと思います。


ノーベル賞研究に触れる

学生さんが日頃、実験や講義の予習、復習に利用する図書室の一角に新たなコーナーが設置されました。

図書室ノーベル

このコーナーを発案したのは、長濱先生。
図書室を利用する学生さんに最先端の研究を紹介し、早いうちから興味・関心をもってもらうためだそうです。確かに、ノーベル賞は誰もが知っていると思いますが、どんな研究なの?と言われても説明できないものもあったりします。また、その研究って今ってどうなってるの・・・?
写真のようにノーベル賞研究の概要が紹介され、関連図書や最近の特集などがその下の棚に所蔵され、興味があればすぐにその概要を把握することができるようになっています。
さすが長濱先生です。

そして長濱先生の今のイチオシは、ノーベル生理学・医学賞を受賞された山中先生のiPS細胞の研究特集です。長濱先生から一言いただきました。

山中伸弥 京都大学教授が開発したiPS細胞は、医学・生物界に革命を起こし、山中教授には2012年のノーベル生理学・医学賞の栄誉がもたらされました。

そこで、それを記念して、iPS細胞をはじめ、2000年以降のノーベル化学賞、生理学・医学賞、物理学賞の受賞対象研究からいくつかを選び、その研究内容が記載された図書資料をまとめ、簡単な解説文を加えた「ノーベル賞コーナー」をPI図書室内につくりました。この機会に、是非ともノーベル賞研究内容に触れ、そのおもしろさを堪能してください。

さあ、科学にときめけ、若人よ! そして君たちもノーベル賞をめざそう!

長濱0

3年生実験の紹介

3年生になると、1,2年生実験と異なり、専門的な研究が行われることは以前のブログでも何度か紹介しました。

今日は、現在バイオ系の研究室で研究を行っている井上くんの実験風景を撮影しました。
彼が今扱っているのは、”抗体”とよばれるタンパク質。我々の体を病気から守る免疫の主役のタンパク質であり、最近では「抗体医薬」など医療の世界でも応用が期待されています。

ただし、それを作ってくれるのはマウスとよばれるネズミちゃん。そのため、抗体を作ってくれるマウスの世話に奔走中。

研究の世界ではチームプレーが重要です。
彼も今はマウスとチームを組んで、世界と戦っているわけですね。

ねずみ1

ねずみ2


3年生実験を受講して

FIRSTでは、学部1,2年生のうちに専門実験(いわゆる学生実験)を一通り終え、3年生の学生実験では週3日、一人ひとり内容が異なる「研究テーマ」に取り組んでいます。

今日は、3年生の沖廣くんに3年生実験について聞いてみました。

レンコン

**********************************

フロンティアサイエンス学部の三年生実験は、ふつうの学生実験と少し変わっている。

それは学生一人ひとりが学生実験の指導する教員の研究室に仮配属という形で入ることだ。一、二年生実験では、学生実験室で10~15人に別れてナノ、バイオ、ナノバイオの決められた実験するのだが、三年生実験では各研究室にたった2、3人の友達しかおらず、他の学生に頼りながら実験をしていた学生にとっては何とも言えない不安を感じるところもある。フロンティアサイエンス学部で三年生実験は一、二年の専門実験と、四年生の卒業研究の間に取り組む実験と位置づけられ、前期、後期と二期受講し、二つの異なる研究室へ仮配属することとなる。こういったタイプの学生実験はおそらく他の大学にはないであろう。

この三年生実験での仮配属は、私たち学生にとって四年生の時に配属される研究室の空気や教授の教育方針を体感できるいい機会でもある。私自身も四年生で所属したいと思っている研究室に実際に仮配属になった。そこで三年生実験を行うことで、研究室に所属している先輩たちと話したり、この研究室がこれからどのような方針で進んでいくのか、ある程度感じ取ることができた。また、この仮配属で得た情報は決してその配属された学生だけのものにはならない。それは、フロンティアサイエンス学部には「マイラボ」があるからだ。このマイラボには学生それぞれの席があり、学生間でそういった情報の交換が行われるからである。そうすると、自分が所属した二つの研究室以外の研究室情報も自然と耳に入ってきて、四年生での研究室選びの視野も大幅に広がる。これは私たち学生にとって、とても有益なことであり、四年生で配属された研究室の教育方針が思っていたのと違うといった配属のミスマッチをある程度なくすことができることにもつながっている。

さらに、三年生実験は卒業研究前にするだけあって一、二年生実験と違う特徴をもつ。一、二年生実験では、テキストに沿って答えのある「実験」をやるが、三年生実験では一人ひとりに異なるテーマの「研究」が与えられる。三年生実験ではこのテーマ選びが、仮配属する研究室選びに関連する。研究テーマは、仮配属前に学部専用サイトで発表があり、研究室からテーマを、またテーマから希望する研究室を事前に調べることができる。こういうと、聞いたこともないような難しい単語が組合わさった専門的な研究テーマが書かれていると思われるかもしれないが、各テーマの下にはそのテーマに関係するキーワード(私たちが授業で習ったり、聞いたことがある専門用語)が並べてある。少しでもテーマやキーワードに興味を持てば、そのキーワードを少し調べさえすれば、ある程度のテーマの概要を知ることもでき、それをもとに仮配属する研究室を選ぶこともできる。

私自身前期、後期と研究をしてきて、次のことを考えるようになった。答えのない「研究」を三年生の時に体験しておくことで、将来自分一人で研究に取り組む時に必要となる、研究の計画や測定機器を使った実験、データの解析や失敗したときの見直しなど、理系学生特有の研究に関するPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を、卒業研究前に身に着けておくことができると思う。実際、私も一、二年実験ではそのようなことを考えたことがなかったが、三年生実験では、日々、未知の研究テーマに向き合って研究を進めている。相談相手はいるが、自分で実験を計画したり、データを解析することが不可欠でそうしなければ研究はすすまない。この三年生実験での私たちの成長は、配属された学生のモチベーションや能力と、その研究室の方針にもよるかもしれないが、少なくとも私は一、二年実験の頃と比べると研究に対する考え方が大きく変わり、何となく研究者として成長していっているような気持ちでいる。

この気持ちを大切に残りの三年生実験に真面目に取り組み、将来の目標に向かって成長していきたいと思う。

**********************************