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キャッチアップセミナー

来週、A期の定期試験があります。1年生にとっては初めての大学での試験ですね。 

この週末はあちこちで試験対策に取り組む学生の姿が見られますが、先日、1年生の試験科目である「構造有機化学」のキャッチアップセミナーが開かれていました。

(キャッチアップセミナーは基本的には学生の要望に応じて開かれる授業時間外セミナーです。今回のように試験前には教員側が慮って開く場合もあります。こちらこちらの過去記事もご覧下さい。)

私がのぞいた時には、既にほとんどの学生が質問や復習を終えて去ったあとでしたが、一時は20人くらいの学生が集まって、教員2人(授業担当者と助っ人教員)が前後のホワイトボードを使って、ミニ講義をしていたそうです。 

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分子の構造を三次元的に考えるトレーニングには、分子模型も使います。
ぜひ最初の試験を首尾よく終えて、今後の学修にはずみをつけて欲しいですね。


3年生実験の紹介(1)ゲル

3年生になると学生実験も、1-2年のときとはガラリと様変わりします。
各学生が、週3回 ×15週にわたって、オリジナルの実験テーマに取り組むのです。

実験場所も、研究室の専門実験室になり、実験内容も、実験テキストに沿ったものではなく、まったく未知の事柄に挑戦するものがほとんどです。

例えば、ある学生さんは、これまで誰も作製したことがない種類の、ゲルという高分子材料をつくってくれました。

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(この画像では何をしているか分からないと思いますが、合成したゲルをガラス管から取り出して切断しているところです。蛍光色素が入ったゲルなので橙色をしています。)

まだ未公開の研究なので、どこがどう新しい種類なのかは書けませんが(論文を出したり特許を取得したりするには、未公開であることが必須条件のため)、世界初のゲルです。

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このように、傾けても形が変わらないので「固体」です。

でも、成分はほとんど「液体」なんです。だから「固体」と「液体」の性質をあわせもっています。

例えば、メスで切ると裂け目ができますが・・・

しばらくすると跡が消えます。

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次はもっと過激に切り裂いてみたいと思います。もし、バラバラに切り裂いても元に戻れば、自己修復機能をもつゲル(←ちょっと生き物みたいでしょ?)ということになりますが・・・さあ結果は。

ここからは企業秘密です! 論文になったらまた紹介しますね。


分子模型

5月某日、とある教員の部屋の様子。

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1年生が籠に入った怪しげな模型をいじっていました。
いじっていたのはこれ。

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「分子模型」でした。

大学の化学では、分子の立体構造を理解していくことが必要となります。
そこで大きな助けになるのがこの「分子模型」です。

教科書で読んでも立体構造はなかなか理解しづらいもので、学生さんたちも模型を手に取り、その形や構造をイメージしていました。

そしてこの笑顔、きっと理解できたのでしょう。

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前試問

自分自身の授業の手応えを振り返ったり、他の教員の授業の様子を見聞きして、よく感じることがあります。それは、FIRSTの学生たちは「考えることが好き」ということです。

 彼らの生まれ持った資質もあるでしょう。

 それと同時に、我々も、大学での教育、特に高校から大学への接続教育では、「暗記型から思考型へ」の転換を強く意識して指導を行っています。「考えること」が学生たちの習慣となるよう工夫している我々にとって、考えることが好きな学生多いというのは、とても嬉しい傾向です。

 その工夫の一つが、前試問。

 1年・2年の学生実験では、学生たちは、実験日までに担当教員のところに行って、「実験に必要な知識を身につけていること」、さらに、「それらの知識を実験に応用できること(知識をもとに考えられること)」を、教員とのやりとりを通じて示さなければなりません。これが前試問です。

前試問
(通りすがりに廊下から見た、ある日の前試問の様子)

 テキストに書いてある手順通りに操作を進めればOK、というわけではないんですね。 

 このような機会を通じて「考える力」を身につけていくので、さらに考えることが楽しくなるのでしょう。

 つい先日のこと。学生から鮮烈な質問がありました。

「○○先生の○○の授業のことで悩んでいるんです。説明が丁寧すぎて、あまり考えることがないんですけど、私、それでいいんでしょうか。」

 その授業で丁寧な説明が必要な理由と、さらに深く考えるとすれば「こういうポイントがある」ということを答えましたが 。。。 いやぁ、嬉しすぎる質問でした。


学生実験便り(2)

学生実験(1・2年)は、先週で第1クールが終了。今週からは違う実験テーマに取り組みます。
もう少し詳しく説明しましょう。

 1・2年の学生実験では、1学年の学生が3つのグループに別れて、それぞれのグループが【ナノ(化学系)】【ナノバイオ(生物化学系)】【バイオ(生物系)】の実験テーマに取り組みます。

 1つの実験テーマは5週間で終了し、翌週からは別の実験テーマにスライドします。例えば、【ナノ(化学系)】の実験を終えたグループは、次に【ナノバイオ(生物化学系)】の実験に取り組む、という具合です。半期(15週)で3つ全ての実験テーマをこなすことになります。

 このように3つのグループに分けるメリットは、一つのグループが10数人という、超少人数グループになることです。指導が行き届くので、以前の記事に書いたように成長が実感できるのだと思います。

 なお、本日紹介する画像は、先週撮影した第1クール最終日の様子です。まずは1年生から。

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(化学系の実験で使っていたのは、エバポレータという、溶媒を効率よく蒸発させて濃縮させる装置。化学実験では最も頻繁に使う装置といってよいでしょう。)

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(生物化学系の実験では、可視・紫外分光光度計という可視光やUV光の吸収を調べる装置を使っていました【上】。この装置を使って「pHが変わると、色素の色がどう変化するか」を測定し、そのデータをパソコンで解析しています【下】。酸・塩基の基礎を学ぶとともに、機能性材料や診断試薬などの開発にも役立つ知識や考え方も学べます。) 

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(同じく生物化学系の実験。実験の合間に、自ら記入した実験ノートをもとに、教員とデータの確認や考察を行います。とても大事なプロセスです。)

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(生物系の実験室では、ゲル電気泳動について解説中。タンパク質や核酸などの生体分子の、混合物の中から「見つけたい」生体分子を分離して、さらに検出する、非常に大切な実験技術です。)

 以下、2年生の実験の様子です。

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(実験と併行して行われる講義・解説で理解を深めていきます。)

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(2年生になると内容を完全に理解して、自分たちの力で実験を進めていくことが要求されます。)

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(化学系の実験。合成した化合物を、吸引ろ過、という操作で回収しています。後ろの方には減圧蒸留の装置が見えますね。)

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(核磁気共鳴分光計測装置(NMR)という装置を使って、合成した化合物の構造を調べています。このような大型の解析装置を自分の手で使える2年生は、全国的にも珍しいと思います。)