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お隣はスーパーコンピューター

このブログのタイトルを「サイエンス島の・・・」としているように、このポートアイランド、特にフロンティアサイエンス学部のキャンパス周辺には、数多くの研究機関や理系企業が集まっています。

その中で、一般の方々にも有名なのは、このキャンパスの隣にある「次世代スーパーコンピュータ・京(けい)」でしょう。一昨年の事業仕分けでの「2位じゃだめなんでしょうか?」で、より一層注目を集めることになりましたね。

スーパーコンピューター(スパコン)が活躍する分野には、代表例だけでも「生命科学」「医療」「創薬」「新物質(ナノテク)」「次世代ものづくり」など、フロンティアサイエンス学部に関連の深いものがたくさんありますので、本学部にも興味のある学生さんが大勢いることでしょう。来月(7月9日土曜日)、スパコンのことを知りたいという学生さんにはちょうどよいセミナーがあります。ぜひ参加を。詳細は、各階エレベーターホールの掲示板をご覧下さい。学部外の方は「京コンピュータ市民セミナー」で検索されるとよいでしょう。

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ところで、スパコン施設とこのキャンパスは、時期的に並行して建設されていましたので、私たちは、自分たちのキャンパスが出来上がっていくのを楽しみにしながら、スパコンの建設もわくわくしながら見ておりました。

確か、最初にできたのは、ガラス張りの建物の右側にあるスターウォーズのデススターを切り取ったような白い建物。「さすがスパコン、でかいなあ!」と 言っていると 、、、、

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(ポートアイランドキャンパスから眺めたスパコン)

「あれはスパコン本体じゃなくて、その電源部みたいなもの(熱源機械棟)。」と知って、

「うちの建物の大きさ、電源に負けた 。。。。」

とみんなで呆然とした(笑)のを憶えています。

(ちなみに、右に見えている橋は神戸空港へわたる神戸スカイブリッジです。)


今週の2年実験

今回紹介するのは実験風景ではなく、実験”後”の実験室です。
実験には、何時間、ときには何日間も、静置しておくという作業(?)が必要なものもあります。
化学系の実験だと、再結晶などがそうですね。分子が規則正しく並んで固体になったのが結晶ですから、結晶中には不純物がほとんど含まれていません。この性質を利用して物質の精製をするわけですね。

画像は、合成したカルコンという物質を再結晶させているところです。
同じように反応させて同じように再結晶 させているはずなのですが 。。。。

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不思議なことに(本当は不思議ではありません。学生さんはよく考察して下さいね。)、班によって結晶の出方がまったく違いますね。 

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これは美しい 。。。。 教科書に載っているような結晶ですね。なかなか、こんなにきれいな結晶はつくれませんよ!

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ところで、この画像を撮影したのは、実験の授業が無い金曜日。実験担当の教員は、実験が無い日も気になって、再結晶の様子を確認に行ってるんですね。学生のみなさんはどうですか? 「私も気になっていた! 」というタイプですか? それとも「次の実験日の、それも、授業が始まって先生から確認するように言われるまで忘れてる」タイプですか? 案外とみなさんの「研究者度」を表しているかもしれませんよ!


産学連携サロン開催

先週の金曜日、ポートアイランドキャンパスの7Fレクチャーホールにて「産学連携サロン」が開催されました。

産学連携サロンもFIRST独自のキャリア活動の1つで、今回で4回目の開催となります。この産学連携サロンでは、ポートアイランド内の企業紹介などもあり、学部生や大学院生が企業が実際にどのような研究活動をしているかを知る重要な場となっています。今回のサロンは、独立行政法人中小企業基盤整備機構近畿支部と甲南大学FIRST/FIBERの業務連携・協定締結1周年記念セミナーとして開催されました。

セミナーは2部構成で行われ、第1部では、学部生・大学院生向けに「学生から見た企業の選び方~3年で辞めないために~」「中小企業の未来への挑戦」というキャリア支援と人材育成のセミナーが開催され、FIRSTの学部生も熱心に聞き入り、質問もしていました。

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サロン1

第2部の一般向けセミナーではポートアイランドにおける「ライフ・イノベーション技術」についてのお話がありました。セミナー終了後の質疑応答では積極的に質問する学生が目立ち活気溢れる場となりました。

我々もそうでしたが、就職活動をするまでの間、学生には企業との接点というものがほとんどなく、企業がどのようなことを実際にしているかあまり知りませんでした。FIRSTでは、この医療・健康産業が集積するポートアイランドにある利点を最大限に活用して、近隣の企業様のご協力の下、様々なキャリアイベントを開催しています。学生さんにはそれらのイベントに積極的に参加してもらい、いろいろな企業のことを知ってもらい、将来、自分がなりたい仕事を早期に見つけてもらいたいと思っています。

今後もいろいろなキャリアイベントが開催されますので、たくさんのイベントに参加して視野を広げていってもらいたいですね。


教員の研究紹介(長濱先生1)

FIRSTには、生命科学分野の最先端を研究する15名の教員が所属しています。今回は生命高分子科学研究室の長濱宏治先生をご紹介します。
長濱先生は、「化学で医療を革新する。夢では終わらない、夢のような新素材開発をめざす」という研究目標を掲げ、体に優しい高分子素材で新しい医療材料の開発に取り組まれています。

長濱顔写真

 みなさんは、「ポリ乳酸」という素材を知っていますか?
 ポリ乳酸は、グルコース(ブドウ糖)を乳酸菌で発酵して得られる乳酸を化学的に連結して作られる高分子です。実用化の歴史は浅いのですが、近年急速に私達の身の回りに広がっている新素材で、コップや皿、洋服、漁業用網、農業用シートなどに使われているほか、携帯電話、パソコンなどの電化製品や自動車用部品などにも使われはじめ、現在さまざまな分野でとても注目されています。その理由は、何より「地球環境にやさしい素材」であるということです。

 第一に、ポリ乳酸は従来の石油を主成分とするプラスチックとは異なり、トウモロコシや米などの植物から得られるデンプン(多くのグルコースが連結した天然高分子)を原料として合成できるバイオプラスチックです。

 第二に、ポリ乳酸は環境中の水による加水分解や微生物分解によって、最終的に水と二酸化炭素に分解されるため、焼却処理に頼らない廃棄が可能になります。

 第三に、ポリ乳酸は分解過程で二酸化炭素を排出しますが、その一方で大気中の二酸化炭素を吸収して成長する植物を原料としているため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素量を増やすことがないカーボンニュートラル素材です。

長濱1

 ポリ乳酸はこのような性質をもつため、エコプラスチックとして、環境、エネルギー、ライフサイエンスなどのさまざまな分野での実用化が期待されています。
 一方、ポリ乳酸は生体内分解吸収性高分子であり、生体内で乳酸にまで分解され、これが代謝されて体外に排出されます。乳酸はもともと体内に存在する物質であり、人体に無毒であるため、ポリ乳酸は生体適合性(体に入れても毒性や免疫応答のない性質)をもち、外科手術時に用いる縫合糸や、骨折時に用いる骨接合材など、生体内で使用できる医療材料(バイオマテリアル)としてもすでに実用化されています。しかし、ポリ乳酸は物性や機能のバリエーションが乏しいために用途の拡張性に欠け、縫合糸や骨接合材などの単純な用途のみに使用が限定されているのが現状です。
 そこで私は、ポリ乳酸をベースにした高機能なバイオマテリアルを創り、それを用いることで初めて可能になる革新的な医療技術を開発し、それを世界に向けて提供することを目標に、日々研究に取り組んでいます。

手術後に自然と溶けていく抜糸のいらない医療用の糸は、このポリ乳酸からつくられていたんですね。
長濱先生が今行われている研究は、次回に詳しくお話しますね。(つづく)


仲間達からの祝福

先日開かれた学生によるレク企画ですが、たいへん盛り上がって終わりました。
実は、レクの後にその日に誕生日を迎えた学生さんの誕生日祝いも開催されたようです。

みんなに祝福され、ケーキと共に写る高嶺くんです。こんな大勢に祝ってもらえる誕生日なんて人生の中でそうあるもんじゃないですよね。

高嶺2高嶺1

FIRSTは1学年35名と非常に少ない学部ですが、マイラボを通じてみんなとても仲良しです。
つらいことも楽しいことも共に経験できる親友をたくさん作れるっていいですね。