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高校生による研究発表会

昨年末の12月19日(水)、兵庫県立明石高等学校、兵庫県立洲本高等学校、兵庫県立星陵高等学校の生徒、教員がこのポートアイランドキャンパスに集まり、研究発表会が行われました。

この企画は、この学部設立以前の平成19年度から始まりました。

その発端は、平成19年度に実施したサイエンスパートナーシッププロジェクトの企画でした。
当時、一般的に行われていた高大連携事業は、高校生による大学での1日実験体験が主流でした。我々が高校生のときには、そのような体験企画すらなかったことから、確かに楽しく、理科って面白いと思ういい企画ではあります。しかし、研究を日々行っている我々研究者としては、実験をすることよりも、実験によって得られた結果やデータをどう纏めて、どう工夫しながら他人に伝えるか、がむしろ重要であり、研究を志す高校生には、それも是非知ってもらいたいという思いから、このような企画が実現したわけです。

兵庫県内のいくつかの高校と相談を繰り返し、計画を練り、夏休みに甲南大学でそれぞれの高校の生徒が実験を行いました。そこで得られた結果を2学期の間、各高校で授業時間や放課後を使って生徒それぞれが解析し、プレゼンテーション資料に纏め、発表する機会を冬に作りました。実施にあたっては、大学の教員も高校の先生も、また高校生もたくさん苦労をしましたが、実際、発表を終えると全員が口を揃えて良かった、といえるイベントとなっていました。いいものは継続するもので、今年で6年目を迎えることになりました。

今年も遺伝子鑑定や機能性色素の研究に関わる6件の発表が行われ、各高校から質疑応答も含めて活発な議論が為されました。

SPP2

SPP1

以前のブログでも紹介しましたが、当学部の学生さんたちは、TA(ティーチングアシスタント)として各高校の実験の指導にあたっていました。その実験に携わった学生さんにとっても、高校生のプレゼンは感慨深いものがあったようです。


3年生実験を受講して

FIRSTでは、学部1,2年生のうちに専門実験(いわゆる学生実験)を一通り終え、3年生の学生実験では週3日、一人ひとり内容が異なる「研究テーマ」に取り組んでいます。

今日は、3年生の沖廣くんに3年生実験について聞いてみました。

レンコン

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フロンティアサイエンス学部の三年生実験は、ふつうの学生実験と少し変わっている。

それは学生一人ひとりが学生実験の指導する教員の研究室に仮配属という形で入ることだ。一、二年生実験では、学生実験室で10~15人に別れてナノ、バイオ、ナノバイオの決められた実験するのだが、三年生実験では各研究室にたった2、3人の友達しかおらず、他の学生に頼りながら実験をしていた学生にとっては何とも言えない不安を感じるところもある。フロンティアサイエンス学部で三年生実験は一、二年の専門実験と、四年生の卒業研究の間に取り組む実験と位置づけられ、前期、後期と二期受講し、二つの異なる研究室へ仮配属することとなる。こういったタイプの学生実験はおそらく他の大学にはないであろう。

この三年生実験での仮配属は、私たち学生にとって四年生の時に配属される研究室の空気や教授の教育方針を体感できるいい機会でもある。私自身も四年生で所属したいと思っている研究室に実際に仮配属になった。そこで三年生実験を行うことで、研究室に所属している先輩たちと話したり、この研究室がこれからどのような方針で進んでいくのか、ある程度感じ取ることができた。また、この仮配属で得た情報は決してその配属された学生だけのものにはならない。それは、フロンティアサイエンス学部には「マイラボ」があるからだ。このマイラボには学生それぞれの席があり、学生間でそういった情報の交換が行われるからである。そうすると、自分が所属した二つの研究室以外の研究室情報も自然と耳に入ってきて、四年生での研究室選びの視野も大幅に広がる。これは私たち学生にとって、とても有益なことであり、四年生で配属された研究室の教育方針が思っていたのと違うといった配属のミスマッチをある程度なくすことができることにもつながっている。

さらに、三年生実験は卒業研究前にするだけあって一、二年生実験と違う特徴をもつ。一、二年生実験では、テキストに沿って答えのある「実験」をやるが、三年生実験では一人ひとりに異なるテーマの「研究」が与えられる。三年生実験ではこのテーマ選びが、仮配属する研究室選びに関連する。研究テーマは、仮配属前に学部専用サイトで発表があり、研究室からテーマを、またテーマから希望する研究室を事前に調べることができる。こういうと、聞いたこともないような難しい単語が組合わさった専門的な研究テーマが書かれていると思われるかもしれないが、各テーマの下にはそのテーマに関係するキーワード(私たちが授業で習ったり、聞いたことがある専門用語)が並べてある。少しでもテーマやキーワードに興味を持てば、そのキーワードを少し調べさえすれば、ある程度のテーマの概要を知ることもでき、それをもとに仮配属する研究室を選ぶこともできる。

私自身前期、後期と研究をしてきて、次のことを考えるようになった。答えのない「研究」を三年生の時に体験しておくことで、将来自分一人で研究に取り組む時に必要となる、研究の計画や測定機器を使った実験、データの解析や失敗したときの見直しなど、理系学生特有の研究に関するPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を、卒業研究前に身に着けておくことができると思う。実際、私も一、二年実験ではそのようなことを考えたことがなかったが、三年生実験では、日々、未知の研究テーマに向き合って研究を進めている。相談相手はいるが、自分で実験を計画したり、データを解析することが不可欠でそうしなければ研究はすすまない。この三年生実験での私たちの成長は、配属された学生のモチベーションや能力と、その研究室の方針にもよるかもしれないが、少なくとも私は一、二年実験の頃と比べると研究に対する考え方が大きく変わり、何となく研究者として成長していっているような気持ちでいる。

この気持ちを大切に残りの三年生実験に真面目に取り組み、将来の目標に向かって成長していきたいと思う。

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第5回サイエンスフェア in 兵庫

来週の日曜日、「第5回サイエンスフェア in 兵庫」が神戸国際展示場にて開催されます。

日時   1月20日(日)10:00-16:20
会場   会場神戸国際展示場第2号館(神戸市中央区港島中町6-11-1)
アクセス ポートライナー「市民広場」駅

主な内容
○スペシャルメッセージ
 理数分野の先輩から高校生/高専生にメッセージが伝えられます。
○高校生/高専生によるポスターセッション発表
 ポスターなどを前にして見学者に科学技術分野の研究や活動の内容を紹介します。

○企業・大学・研究機関・高専によるポスターセッション発表
 ポスターや実物などを用意したブースで見学者に科学技術の素晴らしさを伝えます。

 私も「環境汚染を知らせてくれるスマート・プラスチック」についてポスターを展示します。
 
 理系を志望する高校生/受験生の皆さん! 科学技術分野への進路を考える上でとても役に立つイベントだと思います。ぜひ見学にお越し下さい。 


学生実験の紹介

入学したらすぐに実験の授業が始まるフロンティアサイエンス学部のカリキュラム。1年生は週1日ですが、2年生になると週2日となり、内容も自分で考えなくてはならないことがぐんと増えてきます。そんな学生実験(ナノバイオラボ)の様子を画像で紹介します。

 なお、1-2年生の実験は、ナノ、バイオ、ナノバイオという3つのグループに分かれて、各実験を順々にこなしていきます。

【 上の画像はナノ実験室です。1年前期は抽出やクロマトグラフィーなどの化学の基礎的な実験を行います。】

【ナノ実験室での2年生。有機合成に取り組んでいます。合成した化合物は、核磁気共鳴分光装置(NMR)という高価な(!)装置を、自分で操作して(← ふつう2年生は触らせてもらえません)、構造を確かめます。】


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 【実験は実験室だけで行うのではありません。下の画像は、講義室でパソコンを使ったデータ解析に取り組んでいる様子です。酸塩基滴定(画像:上)のデータを解析して、物質の酸としての強さの指標となるpKaの値を見積もっています。】

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 【バイオ実験室の2年生。遺伝子組み換えの実験です。】

 

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 【バイオ実験に取り組む2年生。学生どうしで、実験の手順を確認しているようです。】
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【ナノバイオ実験に取り組む2年生。ペプチドという物質の合成を行っています。手順を抜かしたり重複させたりすることのないよう、チェックリストに沿って実験を進めていきます。】


学生起業家(3)

起業を体験した1期生のM君。彼の経験談を昨年からご紹介しています。今回で、最終回です。

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////起業して良い経験になったと思うこと
 
 起業して良い経験になったことは非常に沢山ありますが、特に良い経験になったのは、起業した後にそういうものがあると知って参加した、神戸の創業塾です。これは兵庫県からの補助で行われている起業セミナーで、私が参加したのは第13期にあたります。セミナーの内容としては、参加者からランダムに数人ずつ班を作り、実際に起業プランをたて、それを銀行や金融公庫役の中小企業診断士の方に評価、つまり融資を受けられるかどうかを判断して頂くという形式です。参加者の年齢は様々で、20代~70代ぐらいでした。13期は私が一番若かったようなのですが、大人に紛れて計画を建てる練習をすることで非常に良い経験になりました。班の成績は審査員評価1位タイ、総合2位という結果でしたが、順位こそ高いものの審査員の方々は中々厳しい評価で、実際に融資を受ける難しさを学びました。また、この班で一緒だった方々とは今も交流があり、SNSやメールを利用してたまに連絡をとりあっています。皆さん情熱に溢れていて、とてもエネルギッシュです。これは会社を建ててからも思うのですが、他人と正確に意思疎通を図るというのは非常に難しいことです。それに加えて、仕事が中々うまくいかないなんていうのもザラです。この難しい問題を乗り越える為にも、やはり情熱は大事だと思います。もちろん、情熱だけで事業がなんとかなったりはしませんので、きちんと系統立てて考えていかなければいけませんが、もし情熱がなければ、壁にぶち当たった時に乗り越えられないと思います。書いていて気付きましたが、この辺りは学校の実験と同じですね。実験でも中々うまくいかなかったりして気が滅入ることもありますが、仲間と励ましあったりしながらなんとか乗り越えます。
 甲南大学に入ってから、とても多くのことを学びました。そして、学んだことを生かして、さらに様々なことにチャレンジすることで、もっと世界が広がりました。知らない事を知ることは楽しいことです。私は、これからもチャレンジを繰り返し、夢の実現を目指しつつも「知る」ということを楽しんでいきたいと思います。 

(おわり)