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大学選び

我々が学生だった頃と違い、最近は親子で大学を選ぶことも珍しい時代ではなくなってきたそうです。

親として子どもの将来を見据えて伝えたいこともあるとは思いますが、学生さんも学生なりに考えて大学を選んでいるようです。

今日は、2年生の須賀さんから自分の大学選びについての体験談を教えてもらいました。

須賀

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 高校生の頃、私は大学に進学することを進路として考えていましたが、大学に行って何を学びたいかはとても漠然としていました。ただ、小さい頃から教育テレビばかり見てきたので、理科にはとても興味を持っていました。高校生になって、授業で深く学び始めると、「分解者に属する微生物や酵母菌などの目に見えない生物の働き」、「遺伝子」、「生物の発生」、「生体内の有機化合物の合成」、「有機化学や無機化学」など、幅広い理科分野の中でも何となく興味の方向性が定まっていきました。しかし、それでも自分の興味ある分野が広すぎたため、大学で学ぶ学問の分野を絞ることが難しかったのです。さらに、各学問分野での勉強がどのような研究に生かされていくのか、また、自分の興味がある研究分野が何学部に相当するのかわからなかったため、大学選びに苦労しました。

 理系にもいろいろな学部があります。理学部、工学部、農学部のようにわかりやすい学部名もあれば、生物資源科学部、フロンティアサイエンス学部のような変わった名前の学部も存在しています。私はいろいろな大学、学部での学びの内容を把握するために、その学部の教授が行っている研究などを、ホームページを見て調べましたが、ただただ混乱するばかりでした。農学部に所属している教授の研究内容は、まるで理学部の教授が行うような内容であったり、工学部の教授の研究内容が理学部の教授が行うような内容であることも多く、学びの分野と学部の関係はまったくわかりませんでした。私の出した結論は、◎◎学部という名前にとらわれて大学を選んではならないということでした。

 そこで、調べた情報の中から私なりに大学を選ぶ基準を決めました。それは、そこで行われている研究や講義内容が、将来、自分が就きたい職業や、やりたい研究に関係するかどうかというポイントでした。実はその時、大学を選んでいく中で、生物の中でも遺伝子や細胞、さらにそれらが単純に働いている微生物に関する研究をやってみたいという気持ちが芽生えていました。それを前提にして大学を探すために、遺伝子、細胞、微生物などのキーワードに引っかかる大学を優先的にピックアップしました。次に、ピックアップした大学でのカリキュラム、教授陣の研究内容を調べました。カリキュラムでは、その講義やそれに派生した内容の講義もあわせて学べるかどうか、また、教授陣の研究内容では、遺伝子、細胞、微生物を研究している研究室があるかどうかなども調べました。さらに、大学が地域の民間企業と協力して行っている研究があるかどうかも調べました。そのような取り組みがあれば、自分が学んだことが将来、活かせそうな気がしたからです。そして、最初にピックアップした大学の中から、自分が魅力を感じる大学を絞っていきました。

 結果的に私の大学選びは、「偏差値で選ぶ」ではなく、「学びたい学問やその学部の特徴で選ぶ」ことに重きを置きました。実際、大学受験では第1志望の大学に合格することは叶わなかったですが、自分で吟味して選んだ大学に入学したので、自分がやりたいことを楽しく学べています。よく大学進学した友達が言う台詞の中に「思っていた大学とは違う…」という意見がよく出てきます。第一志望で合格したとしても偏差値などで選んでしまっていると、自分のイメージとは違う大学も多くあります。だからこそ、私はその大学を納得いくまで調べて受験することが大事だと思います。

 私の経験をもとに、これから大学受験を迎える皆さんにアドバイスをおくるなら、自分の将来像をある程度思い描きながら、それを学べる大学をトコトン調べ、「この大学で学びたい」と強く思う大学を選び、志望することだと思います。それは本命でも滑り止めでも同じです。

 このアドバイスが皆さんの役に立つかどうかはわかりませんが、是非、受験生の皆さんも大学をよく調べ、その大学を目指して受験勉強を頑張ってください。


ウイルス(2) − ウイルスの増殖 −

以前にこのブログで紹介したウイルスに関連した最近の出来事をご紹介します。

先日、我が家に通気口に設置するフィルターを販売するために、業者さん(おじさん)がやってきました。ちょうど通気口にフィルターが付いてなかったので、高速道路からの粉塵が入らないようにフィルターをつけておけばいいかなぁ・・・と思いつつ、販売営業のおじさんの営業トークを聞き始めました。

「このフィルターは普通のフィルターと違うんです。通気口に設置する市販のフィルターには外気から流入する有害物質やウイルスや細菌が付着して、フィルター上で大量に増殖しているんです。みなさんフィルターをつけることで安心してしまいますが、そこで増殖したウイルスや細菌が大量に室内に入り込んでいるんですよ! ところが、このフィルターには抗菌作用があるから、ウイルスや細菌も増殖することはありません。これからの季節、インフルエンザとかも流行していくと思いますが、このフィルターさえつけておけば、インフルエンザの季節も安心です! この効果で省庁の認可ももらっているんです!」

きっとエアコンのフィルターと同じようにカテキンがメッシュに練り込まれたフィルターなんだろうなぁ・・・と思いつつ、さらに聞いていると・・・

「今ならまとめて買ってもらうと安くできますし、今すぐ無料で取り付けます!」

おいおい、この不安を煽り、買わせる商法・・・かなりあやしい。

おじさんとしてみれば、買ってもらうためにたたみかけるように話した殺し文句だったと思うのですが、それよりも科学者としておじさんの会話でどうしてもしっくりこない点が1つ。

皆さんは、今のおじさんの話の中でおかしいところに気づきましたでしょうか?

それはインフルエンザウイルスの増殖のお話です。
たぶん世間一般では、このおじさんと同じことを思っている人は多くいるのではないでしょうか?

ウイルスというと、インフルエンザウイルスやノロウイルス、エイズウイルス、肝炎ウイルスなど、名前を聞いただけで、恐いと思うものばかり。誰しも絶対に感染したくないですね。

ただ、誤解している人も多くいるのかもしれませんが、ウイルスは科学的には生物ではなく、ウイルスだけでは増殖することはできません。

では、ウイルスはどうやって増殖するのか?

実はウイルスが増殖するには、宿主と呼ばれる細胞の助けが必要なのです。

ウイルスの感染・増殖は以下の通りで進みます。

1)まずウイルスは宿主を見つけ、その細胞の表面に付着し、細胞内に侵入していきます。(感染)
2)細胞内に入ったウイルスは、宿主細胞の蛋白質や遺伝子を作るシステムを利用して自分のパーツ(蛋白質や遺伝子)を増やしてもらいます。
3)十分に増やしてもらったら、それらを組み合わせてウイルスの形にくみ上げてから細胞の外へと飛び出していきます。
4)飛び出したウイルスは、次の宿主を見つけて、感染し、同様に増殖していくことを繰り返します。

ウイルス

インフルエンザのウイルスも、動物のノドや鼻の奥の粘膜細胞(インフルエンザウイルスの宿主細胞)に感染して、その細胞内で増殖させてもらうウイルスです。だから、空気中で勝手にウイルスが増えていくことはないんですよ。

逆にウイルスとしても、子孫を残すために感染することに必死なんでしょうね。
だから、変異を繰り返して、あの手この手で我々に感染する、まさに自然界の生存競争の中にいる図式が見て取れます。

そうそう、話がすっかりそれてしまった通気口フィルターですが、結局、あやしさもあり、通気口の数だけ買っただけでした。


個性が見えるマイラボ(4)〜 揃い踏み

今日は、マイラボで撮影した一枚の写真を紹介します。

干支

何の集合写真かわかりますか?

右から、子(ネズミ)丑(ウシ)寅(トラ)卯(ウサギ)辰(ドラゴン)巳(ヘビ)午(ウマ)未(ヒツジ)申(サル)酉(トリ)戌(イヌ)亥(イノシシ?)・・・そして、ネコ

マイラボに学生さん達が持って来たぬいぐるみをつかって撮影した十二支の集合写真でした。

我々の世代では「まんが日本昔ばなし」で小さい頃何度も見た十二支の話が思い出せます。

神様に、元旦の朝、年賀の挨拶にくるように言われた動物たち。1番から12番までが1年の間それぞれの動物の大将にしてあげると言われ、競い合って挨拶に行ったお話です。

足が遅いウシは前日からノソノソと行ったが、その背中に乗っていたネズミに1番をさらわれ、また、挨拶の日にちを知らなかったネコはネズミに1日遅い日を教えられ、13番目となり、ネズミを恨み、今でも見つけるとつかまえるようになったという昔話です。
古代中国発祥で、アジア圏に広く伝わり、国や地域によって十二支となる動物も違っています。調べてみるとおもしろいですよ。

大学院生の頃、一回り違う干支の学生の入学に驚かされていましたが、そろそろ、同じ干支で二回り年の離れた学生さんが入学してくるようになります。大学で教えていると、若い学生さんに囲まれているので年齢感覚もなくなってきますが、干支を聞くと、ふと現実に引き戻されていきます。

いやはや年が経つのもはやいものです。


Graded Readers

グローバルな時代を迎え、英語力の重要性が高まっています。

はぁ~、嫌いだけど英語を勉強しないといけないだろうなぁ・・・でも、何からすればいいんだろう・・・。

そんな人も多いはず!

そんな学生さんのために、図書室にまたまた特設コーナーが設置されました。

その名も「Graded Readersコーナー」

GR1

はて、何のこと?

英語の勉強と言われても、何となく構えてしまいますが、小説なら何となく気軽に英語と向き合えそうです。でも、いきなり英語で書かれている文章を読んでもストレスがたまって読むのが嫌になってしまうこともしばしば。

そんな人のための英語教材がGraded Readersだそうです。
自分のレベルに応じて、教材を選んで読んでいけば少しずつ英語に慣れていけそうですね!

目安として、コーナーには英語レベル(TOEICや英検を指標に)が記載されています。

せっかくなので、楽しく英語も学びたいですね。

GR2

発表練習

以前のブログでご紹介しましたが、1月22日に3年生実験の研究発表会が開催されました。

発表に際して、学生さんたちは、半年間、研究を行い、その結果を纏め、考察を行い、ポスターにその成果を纏めました。ただし、ぶっつけ本番で発表するわけではなく(中にはそういう学生さんもいたかもしれませんが・・・)、発表前に繰り返し発表練習をした学生さんも少なからずいました。

発表練習
(4年生の先輩を前にして、当日を想定した発表練習をしている3年生の白井君)

自分では伝わっていると思っても、意外と伝わりにくいもので、誰かを相手に練習をして発表の精度を上げていくことも必要です。また、質問されてみて初めて気づくこともたくさんあります。

研究者になるためには、日々のこうした努力の積み重ねが大切ですね。