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夏期オープンキャンパス 実験体験講座のご案内(1)

甲南大学の夏期オープンキャンパスは7月16日(日)と8月6日(日)に開催!

ここポートアイランドキャンパスでも、フロンティアサイエンス学部(FIRST)の魅力を知っていただこうと、いろいろなイベントを用意しています。

さて、その中でも、「FIRSTでの学びを体感したい!」という方にぴったりなのが、実験体験講座。

実験体験講座は『生物テーマ』と『化学テーマ』を用意。どちらも2回開講(午前・午後)しますので、例えば午前は『生物テーマ』、午後は『化学テーマ』と、両方を体験していただくことも可能です。

 

生物テーマ「遺伝子やタンパク質の分析技術『ゲル電気泳動実験』を体験!」

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(画像はイメージです。)

 

ゲル電気泳動は、遺伝子やタンパク質の分析をするには欠かせない実験技術ですね。詳しくはこちら(ゲル電気泳動の学生実験)をご覧ください。

 

化学テーマ「酵素反応を色で視る『食品分析・医療診断技術』を体験!」については、次回ご紹介しますね。


リクエストボード

甲南大学生協ポートアイランドキャンパス店の一角にある掲示板。

” ひとこと お聞かせください ”

bulletinboard1

「○○が好きなのでぜひ店に置いてほしい!」といった学生からのわがままリクエストと、それに対する店長(女性)からの心のこもった回答が楽しい、FIRSTの名物(?)掲示板です。

そんな掲示板に、ちょっと変わった「もの」を売ってほしい、という要望があったようです。

bulletinboard2


毎週火曜は1年実験の日(2)

(「毎週火曜は1年実験の日(1)」から続く)

 

今日紹介するのはナノバイオ・テーマの「滴定実験」。

高校生や受験生のみなさんは、滴定というとビウレットを使って、フラスコやビーカーの中に酸性や塩基性の溶液をポタッポタッと垂らしていく様子を思い浮かべると思いますが・・・

この実験ではマイクロピペットという数十マイクロリットルの液体を正確にはかり取れる器具を使います。

トリプロファン(アミノ酸)の溶液に、タンパク質の溶液を少しづつ加えていき、UVスペクトルの変化を観測します。

*UVスペクトルとは?・・・すごく簡単にいうと、試料が「どの波長」の紫外線を「どのくらい」吸収するか、をグラフ化したものです。

NBL_BasicA_NB600

(コンピュータ画面でUVスペクトルを確認します。横軸が波長、縦軸が「どのくらいその波長の光を吸収したか」を表しています。)

 

詳しい原理は大学で学んでいただくとして・・・、このスペクトルの変化から何がわかるかというと、トリプトファンとタンパク質の結合の強さを見積もることができます。

ある物質と別の物質が結合するという現象は、生命化学の中のどんな分野でも基本となる、とても重要な現象なんです。

例えば、創薬分野なら、「薬分子」が「タンパク質や核酸」と結合して効果を発揮するわけですから、その強さは薬の性能と深い関係があります。

診断分野でも、体の中の「疾病マーカー」(病気の時に濃度が変動する物質)と結合して色が変わるといった「診断試薬」が使われたりします。当然、疾病マーカーとの結合がある程度強くなければ、診断試薬として役に立ちません。

この実験は、このような「結合の強さ」について意識して考える習慣を身につけ、それを調べる実験・解析の原理と方法を学ぶことを目的としています。

 

さて、このマイクロピペットを、実際に使ってみたいという高校生・受験生の方はいらっしゃいませんか? フロンティアサイエンス学部の夏のオープンキャンパスの「実験体験講座」でマイクロピペットを使うことができますよ!

 

実験体験講座1・生物テーマ

「遺伝子やタンパク質の分析技術『ゲル電気泳動実験』を体験!」

実験体験講座2・化学テーマ

「酵素反応を色で視る『食品分析・医療診断技術』を体験!」

 

それぞれ午前・午後の2回開講ですので、ご都合の良い方にご参加下さい。おすすめは、午前と午後(生物と化学)の両方に参加すること。学部の専門分野についてよくお分りいただけると思います。

 

プログラムの詳細は、決まり次第、このブログや大学ホームページで公開します。


学生さんの受賞 〜Chromatography Outstanding Student Paper Award〜

第24回クロマトグラフィーシンポジウム(主催:クロマトグラフィー科学会、東北大学医学部開設百周年記念ホール、6月14日〜16日)にて、フロンティアサイエンス研究科修士課程2年の野上晴加さんが「Chromatography Outstanding Student Paper Award 2017」の表彰を受けました。 

なお、発表論文は「Nicotine-selective Polymeric Adsorbent Obtained by Molecular Imprinting with Excess Use of Itaconic Acid」で、農作物や環境中に残留している農薬などの汚染物質を、低濃度まで正確に分析できるよう、簡便に濃縮することができる高分子材料に関する内容でした。

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(東北大学医学部開設百周年記念ホールにて)


『ファースト先生が勧める渾身の○◯シリーズ!』(2)曲がったギター

みなさん、こんにちは! ポートアイランド事務室のNです。

前回の三好先生の多機能ウォッチはいかがでしたか?

さて、フロンティアサイエンス学部(FIRST)の教員のこだわりを紹介するこのコーナー、早くも(ようやく?)2人目です。

今回、渾身の逸品を紹介していただけるのは、フロンティアサイエンス学部長の藤井敏司教授です。学部長ですよ、みなさん。

紹介の品もぜったい学部長級ですよ(?)。

 

guitar1

N「わあ、今回はギターですね! どんなギターをご紹介いただけるのでしょうか?」

先生「フレットが曲がったギターです。」

N「あっ、わかりました。印刷がずれているお札は価値が高い的なギターですね!」

先生「違います(笑)。ちゃんと理由があって、あえて曲げて作られているんです。」

N「うぬぬ・・・。で、先生、そのフレットというのは・・・すいません、音楽のことは何にも知らなくて・・・下町育ちなもので。」

先生「ほら。」

 

guitar2

 

N「ほんとに曲がってる! すご~い。」

 

(みなさん、ここからはしばらく音楽の時間です。ちゃんと寝ずについてきて下さいね。)

先生「Nさんは平均律というのを聞いたことがありますか?」

N「・・・。」

先生「ほら、バッハの平均律クラヴィーア曲集とか、あるでしょう?」

N「・・・・・。」

先生「例えば『ド』から1オクターブ上の『ド』まで、ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#・ラ・ラ#、シ、ドの13種類の音がありますよね。その『ド』から『ド』までを12等分するような音律が平均律です。」

N「13個の音なのに12等分ですか? あっ、私得意なやつです。つるかめ算、ん? ちがう! 植木算ですね!」

先生「ギターでもピアノでもこの平均律が一般的に使われているのですが、ちょっと問題あるんですよ。」

N「何ですか?」

先生「和音がきれいにハモらないんです。」

N「えーっ? ピアノやギターではきれいな和音は弾けないということですか?ショックです。」

先生「はい、厳密に言えば。例えば、『ドミソ』の和音。ちょっと難しい話になりますが、完璧な響きにしようと思ったら、『ミ』と『ソ』は、『ド』の周波数(1秒間に何回空気がふるえる音か、という数字)のそれぞれ『5/4倍(1.25倍)』と『3/2倍(1.50倍)』でないといけないんです。」

N「平均律だと何倍になるんですか?」

先生「ミが1.259‥倍、ソが1.498‥倍です。」

N「はぁ、ビミョーに違いますね。その違いが・・・」

先生「そうなんです。周波数がきっちり割り切れる関係じゃないので、平均律のドミソが同時に鳴るときれいに混じり合わないんですね。」

N「でも先生、おかしいです。平均律は12等分するんだから、平均律の方が割り切れる数字になるはずじゃないですか?ドから6番目の『ファ#』」がちょうど1.5倍になるとか?」

先生「おぉ、するどいですね。では、詳しく説明しますが、ここでの等分というのは等比数列のことで・・・」

N「せんせー! 私には難しすぎます(泣)。でも、響きがきれいなギターということはわかりました。その響きをちょっと聞けたりしますか?」

先生「ははは、最近は全然練習してないので・・・」

 

guitar3

N「なんか、楽譜もジャカジャカじゃなくてボロロン、という感じなんですね。本格的ですね。」

先生「(笑)。Nさんのギターのイメージは、バッキングというんですが、フォークギターでコードをかき鳴らすような弾き方ですね。これはフォークギターじゃなくて、クラシックギターですからね。メロディも伴奏も1人でやらないといけないところが、難しいけどおもしろいところですね。」

N「えー、いいなあ、私もやってみたくなりました。才能ないですけど。」

先生「そんなこと、やってみないとわかりませんよ。」

N「わかります。昔、ギター教室に通ってたので。」

先生「えっ!?・・・やってたの・・・」

 

チーン

今回はここまで!学部長の特別音楽講義とNの黒歴史カミングアウトで終わってしまいました。

貴重な学部長対談、このまま終わらせません。

次回、渾身シリーズ番外編~学部長、ギターと出会う~をお届けします。