水曜日と木曜日の午後は2年生実験(ナノバイオラボ1A)。
今日はその中から、機器測定をしているところをご紹介します。
これは赤外吸収スペクトルを測定しているところ、つまり、ある物質がどんな波長の赤外線をどのくらい吸収しているか、を調べているところです。
何のためにそんなことを調べているかといいますと、分子というのはいくつかの原子が結合してできているのですが、赤外線にはその結合を振動させる働きがあるのですね。で、結合の種類によって(例えば、炭素原子と水素原子の結合とか、水素原子と酸素原子の結合とか)、吸収する赤外線の波長が違うんですね。ということは、吸収する赤外線について調べれば、その分子がどんな結合をもっているかわかる、つまり、物質の構造がわかる、というわけなんです。
彼女たちは、自分たちが合成したり(つくったり)精製したりした物質の構造を調べているところなんですね。
これは蛍光を測定しているところです。2年生たちは、蛍光色素をくっつけたペプチドを合成しているのですが、蛍光の強さを測定することによって、溶液中にどれくらいの量のペプチドが溶けているか、つまりどれくらいの量のペプチドをつくることができたか、調べているのです。
これは核磁気共鳴スペクトルを測定しているところです。これも赤外吸収スペクトルと同様、分子の構造を調べる装置です。奥に見える銀色の筒の中には液体ヘリウムで冷やされた超伝導磁石が入っています。詳しい原理は難しいので省きますが、この磁石の中に物質を入れて電磁波の照射し、どんな波長の電磁波を吸収するかを調べると、分子の構造が分かるのですね。
このように分子の構造や量を調べることは、からだの中のしくみを調べるにも、医薬品をつくるにも、診断試薬をつくるにも、環境汚染を分析するにも、新物質や新素材をつくるにも、どんなことをするにも欠かせない要素技術です。
非常に大事な技術なのでFIRSTでは2年生という早い時期に習得してもらっています。普通はNMRのような高価な(ウン千万)装置は4年生以上にしか使わせないことが多いのですが・・・実験しているみなさん、絶対に壊さないでね。