後期も1年生の実験内容を紹介していきます。
テーマは、バイオ実験「顕微鏡観察」、ナノ実験「ナノ粒子の合成」、ナノバイオ実験「アスパルテームの合成と分析」の3つ。
3グループがローテーションして全てのテーマに取り組みます。
本日紹介するのはナノ実験「ナノ粒子の合成」です。
金(gold)のナノメートル(10-9 m)サイズの微粒子を合成しています。
金の微粒子は、酵素や抗体と組み合わせることで医療診断などにも応用できる素材です。「金」なのに「金色」ではなくて「赤色」という話は以前の記事にも書かせていただきました(水曜と木曜は2年実験の日(4))。
たまたま2年生も同じ時期に金の微粒子を作っているわけですが、2年生はつくった微粒子をさらに触媒に応用するなど、より高いレベルの実験をしているようです。
1年生は合成したのち、得られた微粒子が「どのような溶媒に分散するか」を調べます。
(一般の方は、「分散する」というのは「溶ける」とイメージしていただければ結構かと思います。)
微粒子の表面の構造(性質)によって、水中で分散しやすいとか、アルコールのような水に近い性質(親水性)の溶媒に分散しやすいとか、トルエンのような水と相反する性質(疎水性)の溶媒に分散しやすいとかいうふうに、分散性が異なるんですね。
おそらく、動画の中で学生が言っている「何をつくっているかは、実験のあとで考察する課題」というのは、この表面の構造がどうなっているかを考える、ということだと思います。
この分散性という性質は、塗料の開発から、食品や化粧品まで、さまざまな分野で大事になってくる性質ですので、自分の興味のある分野に関して深く調べてレポートにまとめておくと、将来の就職活動などに役立つことと思います。