3月15日付の日本経済新聞朝刊の一面に、政府が企業による採用活動の解禁時期を2015年春卒業予定の学生から、大学4年生の4月にするよう経済界に検討を促す方針を固めたという記事が掲載されていました。政府案では、学生には1年生~3年生の終わりまでの期間は学業に専念してもらうことを目的としており、そうすることで学生は冬休みにはインターンシップも経験でき、また就職活動に乗り遅れる不安から海外への留学をあきらめる学生を減らすことも期待されています。
近年、就職活動の早期化が原因で学生が学業に専念できないことは問題視されており、経団連は2011年に倫理憲章を改定し、実質的な採用活動の解禁時期を10月から12月へと変更しましたが、政府はさらに遅らせることを協議するようです。
ただ、経済界はこれに反発すると考えられています。それはなぜでしょうか。先述の経団連、すなわち一般社団法人 日本経済団体連合会のホームページから抜粋すると「日本経済団体連合会は、わが国の代表的な企業1,285社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体127団体、地方別経済団体47団体な どから構成されています(いずれも2012年3月29日現在)。」
ということは、この経団連に所属していない外資系等の企業が先を越して優秀な学生を採用し、例え所属していたとしても離脱企業が増えてしまい、この倫理憲章自体が形骸化する恐れもあるからです。
昨今の企業の傾向として、即戦力となるべく人材を求める厳選採用が続いています。また、個人的な所感として昨年に比べて今年は選考過程の時期も早まってお
り、企業が優秀な学生を他の企業に先んじて確保しようという姿勢を感じ受けます。就職活動中の学生にとって選考は厳しいですが、企業側も優秀な学生確保の
ために熾烈な競争をしています。
これから数年就職活動の時期、やり方は変わっていくものと推測されます。これから就活に取り組む2,3年生のみなさんも新聞等で情報を集め、情勢をよくみて行動するよう心掛けてください。