学生起業家(3)


起業を体験した1期生のM君。彼の経験談を昨年からご紹介しています。今回で、最終回です。

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////起業して良い経験になったと思うこと
 
 起業して良い経験になったことは非常に沢山ありますが、特に良い経験になったのは、起業した後にそういうものがあると知って参加した、神戸の創業塾です。これは兵庫県からの補助で行われている起業セミナーで、私が参加したのは第13期にあたります。セミナーの内容としては、参加者からランダムに数人ずつ班を作り、実際に起業プランをたて、それを銀行や金融公庫役の中小企業診断士の方に評価、つまり融資を受けられるかどうかを判断して頂くという形式です。参加者の年齢は様々で、20代~70代ぐらいでした。13期は私が一番若かったようなのですが、大人に紛れて計画を建てる練習をすることで非常に良い経験になりました。班の成績は審査員評価1位タイ、総合2位という結果でしたが、順位こそ高いものの審査員の方々は中々厳しい評価で、実際に融資を受ける難しさを学びました。また、この班で一緒だった方々とは今も交流があり、SNSやメールを利用してたまに連絡をとりあっています。皆さん情熱に溢れていて、とてもエネルギッシュです。これは会社を建ててからも思うのですが、他人と正確に意思疎通を図るというのは非常に難しいことです。それに加えて、仕事が中々うまくいかないなんていうのもザラです。この難しい問題を乗り越える為にも、やはり情熱は大事だと思います。もちろん、情熱だけで事業がなんとかなったりはしませんので、きちんと系統立てて考えていかなければいけませんが、もし情熱がなければ、壁にぶち当たった時に乗り越えられないと思います。書いていて気付きましたが、この辺りは学校の実験と同じですね。実験でも中々うまくいかなかったりして気が滅入ることもありますが、仲間と励ましあったりしながらなんとか乗り越えます。
 甲南大学に入ってから、とても多くのことを学びました。そして、学んだことを生かして、さらに様々なことにチャレンジすることで、もっと世界が広がりました。知らない事を知ることは楽しいことです。私は、これからもチャレンジを繰り返し、夢の実現を目指しつつも「知る」ということを楽しんでいきたいと思います。 

(おわり)