昨年末の12月21日(金)に、三井製糖株式会社から水雅美氏をお招きし、キャリアセミナーが開催されました。
スプーン印でお馴染みの三井製糖株式会社は、製糖業界最大手の企業であり、皆さんもよく知っていることと思います。我々の生活に密接に関係する食品企業の研究や商品開発は、どのように進めているのか? その詳細をご紹介いただきました。
三井製糖は、サトウキビや甜菜を原料としていわゆるお砂糖を製造、販売している企業です。社員数は300人ほどで、そのうち研究員は20人強とのこと。サトウキビは搾りかすのバガスを燃料として利用するなど、副産物を再利用するため、廃棄物が少ない産業としても有名だそうです。
三井製糖の主たる商品はお馴染みの砂糖ですが、研究部門では砂糖を酵素処理して付加価値をつけたり,砂糖精製の過程で出てきた糖液などから有効成分を取り出して活用していくこと、などが主だった役割だそうです。とりわけ、市場との関係が重要で、研究開発はカスタマーさんとの共同開発で進めることが多いそうです。糖尿病患者さんのための血糖値のあがりにくい糖の開発や、搾りかすに含まれる消臭成分を利用した消臭剤の開発など、「えっ、お砂糖が?」と思う意外な用途も研究によって開発されているようでした。また、宮古島でのバイオエタノール事業への参画など、食だけでなく環境にも力を入れているなど、初めて聞いたお話もたくさんありました。