(「水曜と木曜は2年実験の日(1)」から続く)
今回紹介するのは、遺伝子工学の実験。
大腸菌の遺伝子を組み替えて、つまり、新たな設計図を大腸菌の中に送り込んで、私たちが意図したタンパク質を大腸菌に生産させる、という実験です。
(分野が違うと、有機合成とは使用する器具もぜんぜん違いますね。)
ゲル電気泳動という、タンパク質を大きさによって分離することができる装置を使って、目的のタンパク質が生産されているかどうかを調べます。
(ゲル電気泳動:この装置では下部にある電極がタンパク質などを引きつけて下方向に移動させる。大きなタンパク質ほどゲルの網目構造に引っかかって移動が遅く、逆に、小さなタンパク質は網目構造のあいだをすいすいと通り抜けることができるため、速く移動する。)
さて、こちらが結果。
狙い通りに大腸菌にタンパク質をつくらせることができたようですね。
遺伝子組み換えという言葉に対して、ひょっとしたら受験生の中には負のイメージを連想される方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも実際には、病気になるメカニズムを解明したり、新しい薬の標的を見つけたりと、“生命”を“化学”したり、それを社会に活かしたりするのに欠かせない、とても重要なテクノロジーなんですよ。
「水曜と木曜は2年実験の日(3)」へ続く