カテゴリー別アーカイブ: イベント

第5回サイエンスフェア in 兵庫

来週の日曜日、「第5回サイエンスフェア in 兵庫」が神戸国際展示場にて開催されます。

日時   1月20日(日)10:00-16:20
会場   会場神戸国際展示場第2号館(神戸市中央区港島中町6-11-1)
アクセス ポートライナー「市民広場」駅

主な内容
○スペシャルメッセージ
 理数分野の先輩から高校生/高専生にメッセージが伝えられます。
○高校生/高専生によるポスターセッション発表
 ポスターなどを前にして見学者に科学技術分野の研究や活動の内容を紹介します。

○企業・大学・研究機関・高専によるポスターセッション発表
 ポスターや実物などを用意したブースで見学者に科学技術の素晴らしさを伝えます。

 私も「環境汚染を知らせてくれるスマート・プラスチック」についてポスターを展示します。
 
 理系を志望する高校生/受験生の皆さん! 科学技術分野への進路を考える上でとても役に立つイベントだと思います。ぜひ見学にお越し下さい。 


キャリアセミナー開催される(三井製糖株式会社)

昨年末の12月21日(金)に、三井製糖株式会社から水雅美氏をお招きし、キャリアセミナーが開催されました。

三井2

スプーン印でお馴染みの三井製糖株式会社は、製糖業界最大手の企業であり、皆さんもよく知っていることと思います。我々の生活に密接に関係する食品企業の研究や商品開発は、どのように進めているのか? その詳細をご紹介いただきました。

三井製糖は、サトウキビや甜菜を原料としていわゆるお砂糖を製造、販売している企業です。社員数は300人ほどで、そのうち研究員は20人強とのこと。サトウキビは搾りかすのバガスを燃料として利用するなど、副産物を再利用するため、廃棄物が少ない産業としても有名だそうです。

三井製糖の主たる商品はお馴染みの砂糖ですが、研究部門では砂糖を酵素処理して付加価値をつけたり,砂糖精製の過程で出てきた糖液などから有効成分を取り出して活用していくこと、などが主だった役割だそうです。とりわけ、市場との関係が重要で、研究開発はカスタマーさんとの共同開発で進めることが多いそうです。糖尿病患者さんのための血糖値のあがりにくい糖の開発や、搾りかすに含まれる消臭成分を利用した消臭剤の開発など、「えっ、お砂糖が?」と思う意外な用途も研究によって開発されているようでした。また、宮古島でのバイオエタノール事業への参画など、食だけでなく環境にも力を入れているなど、初めて聞いたお話もたくさんありました。

三井1

ブック・ハンティング・ツアー

大学というところは、正課の授業以外にも学ぶ機会がたくさん用意されています、という話の第2弾です。(第1弾はこちら

今回は、ブックハンティングツアーという企画に参加した3年生湯浅君から寄稿です。

ブックハンティングツアー1
ブックハンティングツアー2

(ブックハンティングツアーには3年生9人[写真(上)]、1年生4人[写真(下)]の計13人の学生が参加してくれました。湯浅君は写真(上)の最前列中央。)

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11月某日、私は、学生12人、イタリア人風イケメンの先生、図書委員の職員さんとともに、三宮センター街にあるジュンク堂(書店)へと足を運んだ。ポートアイランドキャンパスの図書室に収める本を選ぶためだ。これは、図書室を一番よく利用し、一番ニーズが分かっている我々学生自身が選書をさせてもらえるという、学生のことを一番に考えてくれた「ブックハンティングツアー」という企画。みんなで書店に押し掛けて、ふんわりした制限のもと自由に本を選ぶことができるのだ。

 ブックハンターに選ばれたメンバーは、書店に着くなり大騒ぎ。かごを持たされたとたん、獲物をねらった獣のように一斉に本の中に飛び出して行った。気づけばその場に取り残されたのは私一人だった。私の参加動機は希薄なものだった。実は、もともとほしい本もなく、その場のノリでなんとなく参加することになったのだ。そんな私は、いきなり途方に暮れてしまった。とりあえず周りを見渡したが、無数の本に、はぁ~と心の中でため息。さてどうしたものかと考えるうちに、あるコーナーに目がいった。そこはプレゼンテーションのコーナーであった。

 私はプレゼンテーションがとても苦手だ。他人に説明するのはもちろん、資料をつくるのも苦手だ。スライドの魅せ方がわからない。フロンティアサイエンス学部にもプレゼンテーション演習という科目が一回生から四回生まで必修科目としてあるが、他の人に比べて、私はなかなかうまくならない。しかし、社会に出て仕事をしていく上で、どんな職種であろうと必要になってくるはプレゼンテーション能力だということはわかっている。これは、学生として授業を受けていても実感する。上手な講義はすんなり耳に入り、理解度も高い。しかし、中には、聞く気にならなかったり、まじめに聞いてもわからなかったり、間違った解釈を覚えてしまう講義もないわけではない。その差はやはりプレゼン能力の差だろう。私自身もこの能力の乏しさから、勘違いや間違いが生みだしてしまった経験が多々ある。やはり、自分の主張を正確に理解してもらうことは、一番大事なスキルなのだ。そんなことを考えながら、何かコツでも載ってないかと一冊とり、パラパラめくっていった。すると、魅せるプレゼン資料をきれいに作る方法、飽きさせないプレゼン手法、PCやプロジェクターなどプレゼンに欠かせない機器の活用術など、幅広く、これまで考えもしなかったテクニックがたくさん載っていた。この本があれば自分も変われるかも知れないと、少し得した気分で、その本をかごに入れた。

ブックハンティングツアー3

 次は理工書のコーナーに足を向けた。

 理工書といったら分厚く地味な色のカバーといったものが一般の人のイメージではないだろうか。私はそういった難しそうな本を今まで避けてきた。だから、こういったコーナーに立ち入ったことがほとんどなかった。しかし今回は大学に入れる本である。私は仕方なく、分厚い本が並ぶ理工書コーナーに足を進めた。途中、分厚い本以外にも、子供でも読めるような薄い絵本、図艦、それから、ジャパニーズサブカルチャーの一つの萌を取り入れてわかりやすく解説した漫画など、いろいろな種類の本がならんでいた。それらにも魅力を感じたが、しかし忘れてはいけない。今回は大学の図書室に入れる本だ。さすがに萌は入れられない。良さそうな参考書はないかと周りを見渡すと、分厚めの材料工学の本に目がいった。今まで別段興味があったわけではないし、そもそも分厚いので、今までなら視界にも入ってこないような本だった。しかし、なぜか気になってその本に手を伸ばした。

 材料工学とは、鉱物などの原料から目的にかなう機能を有する材料を生み出すための理論と方法を研究し、さらにその材料を製品にするときに必要になる技術を開発する学問である。この本では土に還るプラスチック、素材人工血管や人工骨など、いろんな用途に使われる材料の正しい選択について書かれてあった。私は小さい頃からプラモデルやミニ四駆などおもちゃを組み立てることが大好きだった。私はそこからモノ作りの楽しさを知り、理系の道へと進んだ。組み立て式のおもちゃはたくさんのパーツから成り立っている。一つのパーツが足りないとそのおもちゃは完成しない。そしてある小さなパーツがそのおもちゃにとって重要な役割をもつときがある。この本を手にして気付いた。材料工学も一緒なのだ。一つの製品をつくりあげるのにも、その用途に合ったたくさんの最善の原料・部品が必要になっていき、それらの材料があるからこそ、製品に付加価値が付くのだ。少し難しい本だったが、自分の考えや興味にすごくマッチし、とても面白く感じた。最初はパラパラと流していただけだったが、気づくとその本に没頭し、読みふけっている自分がいた。私は思った。「あれ、材料っておもしろいぞ」、そしてもう一つ「将来もこの分野に携える仕事ができたらいいな」と。

 私とってこのブックハンティングツアーは、実は心の奥底で興味があったこと、苦手と思っていて改善すべきだったところ、まだ自分でもわかっていなかった自分を本と触れ合うことで自然に探り出せる良い企画であった。プレゼンも材料工学も、授業で習うという受け身の姿勢だけではなく、自分から本を手にとるという前向きな姿勢を取ったからこそ、新しい気付きがあったのだと思う。三年生の私は、この12月から始まった就職活動で着なれないスーツをまとい、多くの企業セミナーに参加している。正直SPI対策や業界研究など、まだまだできていないことはたくさんある。しかしブックハンティングツアーを通して自分の軸となるものは見つけられたような気がする。この企画は私にとって自己を分析する良い機会となった。

 この記事を読んだ皆さんも是非大きめの書店に行き、ただ目的の本を購入するのではなく、興味のないようなコーナーを少し周ってほしい。なにか自分のことに気付く、そして変えることができる本に出会うかもしれない。

 またこのような機会があれば私は絶対に参加するだろう。

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ベロウソフ・ジャボチンスキー反応 レシピ公開

今年もあとわずか。年が変われば、あっという間に2月の卒業研究発表会、3月の卒業式を迎え、フロンティアサイエンス学部の1期生たちが巣立っていくことになります。嬉しいけど寂しい。

 さて、2009年4月の学部開設から約4年。その間にこの学部を訪れて下さった、高校生(受験生)、高校教員、受験生保護者の方々の数は、数千にもなります。その中で、一番たくさんの方にお越しいただいたイベントは、今年の10月20日に開催された一般公開でした。1152名もの方々にお越しいただきました。(一般公開の記事はこちら → 御礼 報告1 報告2

 一般公開では、実験体験や展示をお楽しみいただいたのですが、その展示の一つにベロウソフ・ジャボチンスキー反応がありました。周期的に色が変わるとっても不思議な反応です。

 見た目のインパクトや原理の複雑さに比べて、実験操作自体は簡単ですので、高校の化学部などでも実施可能です。そこで、一般公開で我々が行った実験手順を紹介したいと思います。 

 通常我々は、試薬の量はmolという単位で表しますが、中高生でも実験しやすいように、ここではグラム(g)やミリリットル(mL)で表記します。
 
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試薬
① 臭素酸ナトリウム   11.3 g
② マロン酸         5.2 g
③ 臭化カリウム       1.8 g
④ 濃硫酸          8.0 mL
⑤フェロイン(0.0025 M)  6.0 mL

操作
1.500 mL ビーカーに、試薬①~③をはかりとる。
2.1のビーカーに水 300 mLを加え、撹拌して試薬①~③を溶解させる。
3.ガラス棒で撹拌しながら、2の溶液に試薬④を、ピペットを使って少しずつ加える。
  溶液は一旦黄色になるが、無色になるまで撹拌を続ける。

【注意】臭素ガスが発生するので必ずドラフトチャンバー内で行ってください。また、溶液やビーカーが熱くなりますので注意してください。

 ここまでで準備完了です。 試薬⑤を加えると反応が始まります。

4. 市販のフェロインを希釈して試薬⑤を調製する(0.0025 M になるように希釈する)。
5.3の溶液50 mLに、試薬⑤を加える。

 なお、「M」というのは「mol / L」のことです。

【ポイント】色の鮮やかさは、試薬⑤の加える量に左右されますので、試薬⑤は少量ずつ加えていき、好みの色の濃さを見つけてください(6 mLというのはあくまで我々のおすすめ、目安の量です)。なお、⑤の添加量が6 mLの場合、変色を繰り返す寿命は約3時間です。

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実験操作をまとめてくれたOBの桑原君、ありがとう。


キャリアセミナー開催される(川重テクノロジー株式会社)

12月14日(金)、川重テクノロジー株式会社より小鯛亜紀氏をお招きし、キャリアセミナーを開催いたしました。

川重テクノロジー株式会社は川崎重工業から独立した総合分析・試験会社です。ここでは、化学分析、環境分析や、各種材料の試験・評価、応力測定、構造解析、エレクトロニクス関連の機器開発など幅広い業務を行っています。

小鯛氏は川崎重工技術研究所の材料研究部で20年近く研究員として活動した後、現在の会社に転籍し、初めての女性管理職(メカコンポーネントソリューション部課長)として活躍されているそうです。

セミナーでは、川重テクノロジーのメカコンポーネントソリューション部の業務内容をはじめ、新入社員時代の研究(与えられた課題に対してどのように取り組み、そして、成果をあげていったのか)、ご自身の部下に求める私見として社員に必要とされること、大学卒業後の進路選択、また、女性が生涯働くことなども含め、幅広くご講演いただけました。

川重1

 就活をする学生にとって、今は働くことが重たいイメージとなっているのかも知れませんが、プライベートの充実や多様性の理解など、就職後の人生のことなども経験談を交えながらお話いただけたので興味深く聞けたようです。講演後、学生からの質問にも丁寧にお答えいただき、参加した学生にとって大変参考となったようでした。

川重2